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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「ベニスに死す」はBLだったのだ

 

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  • ダーク・ボガード
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 言わずと知れたトーマス・マンの文学作品。といいつつ読んだこともなし。ただ雑学として知っているだけ。今ググったら驚いたことに......、この件については後で書きます。

 静養のためにベニスに訪れた主人公のおっちゃん。ダーク・ボガードって聞くとハンフリーじゃないの?と一瞬でも思ってしまう悲しさ。港の人?に「閣下」と呼ばれ、ホテルの人?に「教授」と呼ばれる謎の人物。

 でもこの役者さん、見た目は今風って言うか優男って感じで、ハンフリーのような強烈なキャラでもない。夏。暑い中背広を着たまま外などを眺めているおっちゃん。で、上の絵にもあるんですが、とある少年に目が行く。

 そうね、年のころは15歳?くらい。中坊か高校生って感じ。これがまたいい男なんですよ。いい男の少年と言うと、わたしの世代ではマーク・レスター(「小さな恋のメロディ」主演)を思い浮かべます。たしかにあの作品のトレーシー・ハイドは可愛く、誰もが恋したもんですが、大人になってから観ると、いやいやマーク・レスターの美少年っぷりの方が上回っているんじゃない?、と思ったり。

 でもね、マークのいい男ってのは可愛さなんだよね。この作品に出てくる彼(ビョルン・アンドレセン)の顔は、そりゃもうベルサイユのばらか宝塚って感じ。わかってもらえます?。正統派のいい男。

 でこのおっちゃんが恋に落ちるわけです、彼に。でもコミュ障のおっちゃんは声をかけるなんてもっての外、ただただ距離を保って見つめるだけ。なんとな~く変なおっちゃんに見られてると気づいたっぽい少年。相手をしっかり認識すると、わざと目を合わせつつ、そらすときにうっすらと微妙な笑みを浮かべるんです。というか、そうわたしには見えました。

 かといって少年から敢えて怪しいおっちゃんに接触することもなく、おっちゃんの悲しい恋はずっと片思いのまま。そして夏のベニスにひそかに流行していたコレラにやられて?.....。

 そうそう、おっちゃんには唯一ハナシのデキる友達?みたいな人がおりまして、彼がまた妙に自分の価値観を押し付けてくる輩。なんか芸術について、ときおり音楽のハナシも交えて論争しておりました。

 主人公のおっちゃんの正体は「教授」ってんだから、どこぞの大学の先生、それも芸術関係の人なのかな?と今の今まで思っておりました(作品内では明かされません)。でさっきググってビックリ。なんとあのグスタフ・マーラーをモデルとしていたと。あの「巨根」で有名、否、「巨人」で名をはせた作曲家ですよ。

 というわけで1971公開のカラー作品。作品名からもっと違った、運命に翻弄される主人公がついにはベニスで死んでしまう、みたいなのを想像していたんですが、まさかのBLモノだったとは!。トーマス・マン、そういうのがお好きなのね。こりゃわたしがよく読む作家さん、三浦しをんちゃんが喜びそうな作品だわw。この手のがお好きな人にだけおススメしておきます。

「セントラル・ステーション」は悲しくやさしい物語

 

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  • フェルナンダ・モンテネグロ
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 なぜ予約録画したかは不明。ブラジル。駅周辺で代筆業を行う老婆。老婆ね~、わたしよりちょっとだけ上くらい?って感じの女性。代筆業って言うとアレだ、バイオレット・エバーガーデンだ!。って叫ぶほどじゃないけれど、いわゆる文盲って今は言わないのかな?、文字を書けない人たちのために手紙を書くお仕事。

 彼女のもとを色々な人が訪れて、家族や恋人など親しい人たちに向けた手紙を託す。この彼女の仕事のシーンはなんどか描かれるが、それは客の純粋な強い願いを託す思いを描くため。おそらく貧困のせいでまともな教育を受けられなかった人々が、まだまだたくさんブラジルには居るということ。

 そう貧困。それは人の心を蝕む。この老婆、自分の部屋に帰ると元教師と言う女友達と一緒に、本日の手紙を選別するのだ。何の選別?、なんと出すか捨てるかの....。

 おそらく手間や切手代が浮くということ。けっこうまともな生活をしているように見えるこの老婆でも、そうやって生きている。あの、真面目に純粋な目で語り掛けていた客たちを、そんなかたちで裏切るのだ。

 思ったね、貧困が悪いって。きっと客たちも100%この老婆を信用していない。騙されるかもしれないと思っているんだよ。でも、もしかしたらちゃんと手紙を届けてくれるかもしれないと、真剣に自分の気持ちを老婆に語っているんだ。

 最初はこの老婆を極悪人だと思ったわたし。地獄に落ちればいいと。でもね、目の前の交通事故で母親を亡くした少年を救おうとしたんだ、彼女は。しかし少年を預けた先が悪かった。生きたまま内臓を取り出し売買しているという噂の人たち。

 それを知った彼女は自分の身を危険にさらしてまで、少年を助けに行った。そして、以前別れた父親のところへ一緒に旅に出る。

 貧しさが軽い罪を呼びはするが、本当の悪人かどうかはまた違うハナシだった。このあとは老婆と少年のロードムービーとなる。

 というわけで、結末付近は書きません。でもラストの涙なしでは観られないシーン。それでも二人はお互いにあのときに撮った写真を見て、笑顔を見せるのです。すばらしいエンディング。いい作品です。ぜひ観てください。

「3時10分、決断のとき」お題がちょっとね~

 

 ラッセル・クロークリスチャン・ベイルの名前で予約録画。クリスチャンの方は不眠症でしたっけ?、そう「マシニスト」↓

って、これは衝撃的でしたよね~。もう一度観たい。で、ラッセルさん。この人、いつも「グラディエイター」の方って覚え方してるんですよ。え?、方ってことはそう、もう一人どうしても似た役者さんとダブってしまうんです。ちょっと待ってね、今名前思い出すから。って、思い出せないw。プクッとした顔が似てて、サスペンスとかドロドロした心理モノの作品によく出ている印象の人。あ~悔しい。思い出したら追記しておきます、すいません。

 閑話休題。ラッセルさんはその風格通り、有名な悪党で多くのならず者を率いるボス的な役どころ。クリスチャンは借金を取り立てられて、瀕死状態の牧場をどうにかしようとあがいている家族思いのお父ちゃん役。ちなみに戦争?で片足を失った元スナイパーだった気が。

 200ドルのお金のために、ラッセルボスの護送をお手伝い。3時10分の列車に乗せるまでがお仕事。ってことですよ、お題は。クリスチャンさんはラッセルボスから、もっと金払うから俺を逃がせと提案されます。悩みますよね、そもそも借金のために受けた仕事ですから、もっと大金が手に入るのなら、ね、って。それがお題。ちょっとね~、ダサくないですか、このお題。そもそもクリスチャンさんは生真面目もいいところなんで、そんな悪党の提案なんて乗るわけないんですよ。なのに「決断のとき」って、大袈裟な。

 というわけで、このダサいお題にはがっかりしましたが、なんと邦題だけではなく、パッケージにある通りその時刻そのものが原題にもなってましたね。ダサ(怒られるか?)。クリスチャンさんの朴訥さ、無骨さがさんざん描かれますが、ラッセルボスも本領を発揮?。わけわからない漢として感じる何かにほだされたような行動を取ったりします。内容的には面白いので観る価値ありと思うエラそうなわたし。お題だけ、残念だね~。

「夢のような幸福」(三浦しをん)は相変わらず楽しいエッセイ

 

 なんともかわいらしい表紙絵。前回書いたように、しをんのエッセイがあまりに面白かったので、数冊大人買いをした古い順で2番目の文庫本。ちなみに前回とは↓

 2003.12月刊行(新刊)とあるのでしをんが26~28歳くらいのときのエッセイを集めたもの。前回と同じく、気になった点のみを書いておきます。

 「嵐が丘」に出てくるキャサリンのストーカーと化したヒースクリフがなぜか魅力的に見える不思議。

 「見よ、飛行機の高く飛べるを」(萩尾望都)がいいらしい。

 「布団」(田山花袋)、好きな人の布団の匂いを嗅ぐというハナシ、らしいんだが、記憶がない。読んでいるのに↓

 九州旅行。B温泉(別府?)の地獄めぐりが妖しくて良い。

 九州旅行最終日、夢のような古本市を見つける。本屋で便意を催すってどっかで聞いたことある気がする。

 白リンゴ(iBook)を使ってる。あの四角いノーパソね。使用しているPHSの機種が古くてUSBケーブルが使えない。だから家の電話線をつないでネットしているそうな。え?、電話線ってなんやねん。あのiBookってモデム内蔵か?、300bpsか?(1,200bps?、2,400bps?ってどこまであったっけ?)。ノーパソに置いた左手が熱い。う~みゅ、PowerPC603eあたり?、もうG3だっけ?。

 再び死国のYちゃんとバクチクのライブツアー。静岡はまだ21時だというのにお店がみな閉まっているらしい。タミヤ模型の見学は良かった。

 最後に観た映画が「少林サッカー」w。好きな作品。「GONIN」(石井隆)、録画を標準でしたと。ほう、VHSの標準モードですか、なつかしい。

 2002年夏、気になる映画。「サイン」、メル・ギブソン。「タイムマシン」、イー・ピアーズ。どちらも駄作臭が強くて良い。

 「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」を観て、アラゴルンにやられる。ヴィゴ・モーテッセンだ。彼の出演作品ということで「G.I.ジェーン」デミ・ムーアを観る。ラズベリー賞の主演女優賞獲得(サイテー映画のための賞)。肉体的に過酷なスチュワーデス物語だと思えばよい。ヴィゴは教官役だっけ?。

 つづいて「クリムゾン・タイド」ジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントン。ヴィゴはミサイルの発射係で、二人の間で板挟みな役。アイロンがけが上手。

 またしても死国のYちゃんとバクチクだ。川崎クラブチッタ。あっちゃんと今井(G)の2人の接触具合に色めくしをん。あっちゃんって他の有名人で例えると、美輪明宏。

 2002年、水着を買いに(28歳か)。流行しているタンキニを試着したら、脇の下からお肉が漏れる。大正時代に流行ったような水着を試着した感想。「ねえ、G。わたしはこれまで、こんな醜いものを見たことがないよ」。笑い過ぎて腹が痛い。

 1wの休みを取って旅行。小浜島(ちゅらさんのロケ地)にていっしょに行ったGの会話「あんた、最近会社で嫌なことでもあるの?」。なに?、しをんてこのころ会社勤めをしているのか?。

 TV鑑賞。コンビニで自分の傘を取られたらどうする?で、家族会議。なんと父が出てくる。え?、初登場?。

 冬コミからそのままバクチクの武道館ライブ。元気過ぎる。もちろん死国のYちゃんも。友達の腹ちゃんって医者なんだってさ。そういえばIちゃんは司法修習中って書いてあった。なんかすごい。

 読んでて思ったこと。しをんは母や弟に本当にキツイ言葉は使わないこと。普通身内には厳しく言ってしまいがちなんだけれども。

 ルトガー・ハウアーが好きらしい。んん?、「ブレードランナー」のレプリカントの人?と思ったら、珍しく正解でした(わたしの記憶力はカス)。

 恋をしたくなる漫画「α」くらもちふさこ。

 大阪見物。グリコが見える橋は、心斎橋。新世界を抜けて通天閣。

 というわけで、フ~ン!、と思ったところを読みながらメモして、そこから抜粋。相変わらず面白い人だ、三浦しをん。まだ三冊くらい残っている。おやつとして小説の合間に読みたい。

「仏果を得ず」(三浦しをん)は文楽を知らんでも大丈夫

 

 ここのところ、本はこの人、三浦しをんしか読んでません。メモ(わたしは本を読むときメモを取るのです)の最期に感想が書いてあったので、それをそのまま載せます。

 感想メモ。

 まず、読む前に危惧していた「文楽」というモノを初心者のわたしに、延々と理解させようとしてくるのでは?、という疑問はキレイにとっぱわれました。まるでその気配すらない。確かにいくつかの物語を、そのまま語るところも多々あるのですが、これが生きてる側の人間の様子を、見事に写し取ったような展開。特に主人公の健(たける)の生き方、考え方、迷い、悩みを解決するためのストーリーとして書かれているワケですよ。別世界のハナシをぶつけられる感覚はまるでなし。

 文楽を題材にと決めたとき、どこまで読者に文楽そのものを押し付けられるのか?、としをんは悩んだと勝手に想像します。そして上記の手法以上には踏み込まないと決めたのだと。

 だからなのか、文楽の世界のハナシなのに、唄う大夫と三味線がメインで、人形遣いはほとんど出てこないという、不思議。つまりは説明はしたくなかったのだと。文楽を説明するだけのために、書き込みはしたくなかったと、と、と、勝手にしをんの気持ちを察するわたし。

 あとは真智(まち)とミラ(真智の娘)だな。文章だけではこの二人、どうしても魅力的な女性には見えないんだよね。真智は錆びた雰囲気のヤンママ、ミラはちびまる子ちゃん。まあ、アケミ(師匠銀大夫の女)は置いといて。

 やはり表紙絵ですよ。ここのミラちゃんと思われる少女の絵がかわい過ぎる。この絵がなかったら、ここまでミラに感情移入できなかっただろうね(どんだけしたんだ?)。にしても、銀大夫(右上)はまだしも、健(おそらく向かって左)と兎一郎(三味線)の絵はよろしくない。二人とも人間味がない。ミラちゃんを見習えっての。そうそう、チラちらと顔を出している人形もかわいい。

 感想メモ、終わり。

 というわけで、久々のしをんの文章の魅力を肌に感じたかも。読みやすく、登場人物が生き生きしている。読んでいて楽しかったです。おススメします。

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は悲し過ぎる物語

 

 前に観ているハズだけれど、例によってすっかり忘れているので予約録画。さかさまの人生ってのは記憶にある。ええ?、じいさんとして生まれてくるの?。デカくない?。と心配していたら、しわくちゃな赤ちゃんでした。そりゃそうだ。

 その容姿ゆえ、捨てられたベンジャミン。高齢者施設の人に拾われ、そこで育ててもらえたのは、奇跡と言っていいと思う。

 スタートが赤ちゃんだから、体は徐々に大きくなる。このあたり丁寧に描いていて、好感度高し。大事なところだからね。車椅子から初めて歩いた時には、大いに笑った、じゃなくて、感動した。

 旅をしている変な兄ちゃんが夜中に連れ出してくれた。こちとら酒も女も未経験、だからね。あの喜びよう、観ているこっちもうれしい。こういう兄ちゃんは必要なんだよ、生きていくうえで。

 そうそう、ベンジャミンはバレエをしている奇麗な少女に恋をする。見た目おじいちゃんだけど。二人は一度離れて、再び会うのだけれど、少女は素敵な女性に、ベンジャミンはおじさんくらいだったか、に若返っている。あ~この辺、記憶曖昧。

 とにかく、ある程度若返ったベンジャミンはブラッド・ピットが演じ、この女性をあのケイト・ブランシェットが演じている。ブラピはイケメンすぎだろ!、と思いつつも、ケイトがいいんだ。あの人の演技力には吸い込まれるようだ。

 逢瀬を重ねる2人。しかしある日、ベンジャミンは彼女のもとを離れる。この後は書きませんが、ラストはもう泣くしかない。号泣です。彼女に愛されてベンジャミンは、幸せだった。そして育ててくれたママも。

 というわけで、思いのほか泣かされてしまいました。大満足です。おススメします。

「ピエロがお前を嘲笑う」は大どんでん返しだけちゃうで

 

 おそらく予約録画した要因は、ハッカーって言葉だと思う。んん、英語じゃない?、ドイツ語だ。学校で孤独になりがちだった少年がコンピューターの世界に目覚め、天才的なハッカーとなり、より堅牢なシステムを狙うことに執着するようになる。みたいな感じですか。

 主演のトム・シリングって名前、聞いたことある。若くて小さてナイーブそうな青年。どこぞのハッカー野郎たち(3人)から誘われて、仲間になる。コイツらのリーダー格の男は女たらし、そして筋肉野郎は完全に頭も筋肉(脳筋)のガサツな男、もう一人のデブはハードオタク?の疑心暗鬼タイプ。面白いのがこのハッカーたち、入っちゃいけないところに侵入して騒動を起こすんだが、決してお金目当てとかそういうわけじゃない。自分たちの名前をハッカー界にとどろかせたいだけ。

 で、終盤。あらまビックリの大どんでん返し。そうか、そうきたか。もちろんその内容は絶対に書かないけれど、見事に騙されました。手の傷を見てそれとなく気づいた人がいたら、エライんだろうな~と。

 というわけで、久しぶりにどんでん返っちゃいましたよ、気持ちよく。おいおいおいおい、キューザックか!と思わず声に(ごめん、大ヒントだ)。そしてオーラス。角砂糖のところ、何度か観なおしてしまいました。え?、つまりは、そういうことなんか。ふむふむ、ふむふむ、ふむふ~む?。ホンマにそれでいいんだよな?(たぶん、ちょっと自信ないけど)。面白いです、観てください。

「泣きたい私は猫をかぶる」は当然のようにズルい

 

 はい、何がズルいのか?。もうそれは指摘するのもばからしいくらい、二次元作品ではありふれたこと。そう、大好きな男の子に積極アピールするけれど、まるで相手にされず「嫌い」とまで言われてしまうヒロインの女の子、の容姿がかわいいってこと。

 まあ、ヒロインがかわいくないと誰も観てくれない(そんなことはないが)んで、当然のようにキャラ設定はかわいい女の子になる。男の観客視線からすると、この告られ続ける(はた目にはそうとしか見えない)男の、釈然としない態度に腹が立つだけ。

 あ、そうそう、今どき風に制服もしっかりミニスカートなのに、どれだけ活発に動き回ろうが、決してパンツが見えない。人はこれを鉄板スカートと言う。そこも気に食わない。見えないなら動かすな!。動かしたいならスパッツ履け。

 その彼女がある日、猫になれる猫の仮面を手に入れる。これまたかわいい白い子猫の姿になって、いつも相手にすらしてくれない彼の家に行って、すっぽりと彼に甘えるのである。これはエロ表現以外のなにものでもない。

 その猫仮面をいつまでも付けていると、人の姿に戻れなくなる。はい、この先どういうストーリーになるか、もうはっきりと浮かぶでしょ?。その通りです。あなたの思った通りにハナシは進みます。

 つまり、最後の最後に彼女は、好きな男の子の気持ちを知るわけです。てか、ここまできてやっと、この男は彼女のことを好きだと認めるわけですよ。あ~、じれったい。この世のじれったいってヤツを集めに集めて、固めてこね回すとこの男の子が出来上がるんですよ。

 そこで、わかっていても泣いてしまうわたし。ね~、ズルいでしょ?。もうこの作品はズルさで溢れている。てか、もちっと二人の心情をしっかりとズルさを使わないで、描いて欲しい。え?、どうやってやれって言うの?。そだね、まずヒロインの見た目を変えましょう。この作品のヒロインなんて良かったよね↓

youtu.be

 原作と違ってアニメ版のキャラはいろいろと批判を浴びましたが、このキャラに毎日ヒップアタックされたら、その男の子の気持ちにも共感できる人が増えるんじゃなかろうか?。当然、この見た目キャラで同じ結末を迎えても、わたしゃなんの文句もありはしない。てか、そっちの方が感動するかも。

 というわけで、個人的な感情にまみれた感想を書いてしまいましたが、お気を悪くされた方が居たら申し訳ありません。おっと忘れてた。この作品のわたしの一番の推しは、ヒロインの親友のヨリちゃんである。こんな友達思いのいい子はいない。そして、ショートカットの見た目もメッチャかわいいぞっと。そんなヨリちゃんを見たい人はぜひ観てください。

「しをんのしおり」(三浦しをん)大人買いしたエッセイを若い方から

 

 以前ですね、読んだ三浦しをんのエッセイですが(これね↓)

koyan.hatenablog.com

 それがあまりにも面白かったんで、彼女のエッセイを数冊大人買いしました。それを単行本の刊行順に並べ、一番古かったこの作品から読み始める。

 2002年刊行とあるので、作者が26歳より若いくらいなんでしょうか?。きっとどこかで連載していたんですよね、エッセイですから。ちなみに「ビロウ」の方が書かれたのはその5,6年後くらいだと思われます。

 まず作品名ですが、あとがきにある通り、ご本人は自分の名前を冠したお題には反対しており、もともと「人生劇場」という渋いお題が決定していたそうです。お気持ち、よ~くわかりますよ。

 エッセイなんで気になった点だけ書いておきます。まずはアルバイト。しをんさん、古本屋でアルバイトをしていますよ。執筆活動はとうに始まっておりますが、まだこのお年の頃は安定した収入がなかったのでしょうか?。そうそう、弟さんは大学入試の頃だそうで。

 メモ(わたしが読みながら書いているもの)からつらつらと引用。「ヒカルの碁」の藤原佐為を女性だと思っていたとか、バイト仲間のクラバーの特性に驚くとか(わたしも勉強になりました)、青いiMacを使っていたとか(時代だね~)、飛行機がマジで怖いとか、服が本当に好きだとか、楽しそうな友達が多くてうらやましいとか、BUCK-TICKはいわずもがなとか、まだ使い捨てカメラを使っているとか、高倉健が云々.....。

 というわけで、読んでいてとても楽しい気分になれますよ、はい。小説読後のデザートみたいな感じで、残りの在庫もじっくりと味わいたいと思います。

「犬王」はミュージカルというかバンドのライブ会場

 

 源平合戦のあと、琵琶法師が平家の唄を伝えているその時代。壇ノ浦で平家が海に落とした三種の神器の剣によって、父を亡くし幼くしてめしいとなってしまった友魚。宮島で琵琶法師として弟子入りする。

 片や京で猿楽の一座の子として生まれた異形の子。独自に唄と舞を身に着けていく。のちに犬王と名乗る。この二人が出会い、まだ語られていない平家の言葉をその亡霊から聴き、新しい唄と舞を披露し人気を博す。

 友魚が奏でる琵琶の音は、しだいに現代のギターの音となり、太鼓、ベースを合わせ、その様はまるでバンド演奏。それに合わせた犬王の舞はまさに、マイケル・ジャクソン。つられて踊りだす観衆の様は、ブレイクダンス。二人の口から語られる唄は、平家の語り。図太くしっかりとした歌声が気持ちいい。このバンドのライブ演奏がずっとずっとずっと、続く。

 一応、ミュージカルアニメみたいなくくりになっているみたいですが、お題の通り、わたしが感じたのはまさにライブ感。あの奏者、観衆が一体となって盛り上がる様子、好きな人にはたまらないと思います。わたしゃまったく得意ではない。でも、楽しかった。

 犬王の異形のワケ、国家の対応、友魚の最期など、楽曲以外にも観るべき点はしっかりとあります。わたしこの作品を観てて、なぜか既視感を覚えたのですが、その理由をやっと思い出しました。コレです↓

 これ、連載中、ずっと読んでいたんですよね。なんでもすぐ詳細を忘れるわたしですが、主人公が幼いころの世阿弥で、将軍足利義満に贔屓されていたのだけは覚えておりました。そこに犬王が出ていたかは定かではありませんが。

 というわけで、ストーリー半分、ライブ半分と二つの要素をしっかりと楽しめた作品です。面白かった。おススメします。

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」は素直に感動していいものか?

 

 新し目の作品ですね、2017年です。おそらく録画予約した要因は、トム・ハンクス。この人の名前はけっこう見るのですが、たまには観てみようと思ったような気が。主役はあのメリル・ストリープ。監督はなんとスティーブン・スピルバーグだって、知らなかった。

 ペンタゴンですから軍事関係。ベトナム戦争絡みの最高機密文書が盗み出されたわけ。その経緯も描かれてますが、アメリカにとってベトナム戦争って?、と思わずにはいられない、反戦と言うかなんというか、その手のアレです。

 地方紙を強調しておりますが、紙名がワシントン・ポストですからね~、どこぞの田舎の新聞とは違う。でも、全国紙とも当然違う。夫の死ののち、そんな新聞社の社長になってしまった、女性の苦悩をメリルが上手に表現しております。

 最初見ていて(いつもながら状況が呑み込めていないわたし)、なんでメリルは社長なのに、あんなに自信なさげでオドオドしているのか?と不思議だったんですよ。結婚した相手が新聞社の社長だったから、その後継になったと。う~みゅ、嫌なら断ればいいんじゃないかとか、他に候補者はいなかったのか?とか思いますが、それはそれ、逃げられない事情があったんでしょう。家や家族を守る的なことを言っておりました、メリル。

 その新聞社の重臣?の1人がトム・ハンクス。最高機密文書をですね、不正な手段によって手に入れたとある人物と接触に成功し、それを手に入れたわけですが、コレがヤバい。現在進行形のベトナム戦争の真実を隠し、嘘を国民に公表し続けた政府=大統領たち。かの地に送り込まれ、散っていったアメリカの若者たちの命って?。

 このあたりでようやく大筋を掴んできたわたし。俄然、面白くなる。この最高機密文書の内容を紙面に載せるかどうか?、揉めに揉めまくるワシントン・ポストの幹部たち。最終的に決断を下さなければならない、社長のメリル。この辺の盛り上げ方はさすがスピルバーグってことで、よろしいんでしょうか?。

 思わす涙も出てしまうシーンもあったんですが、なんかね、素直に観ることができないわたしが居る。映画の中には大統領や新聞社の名称も実名で出てくるんで、おそらく事実をもとに作られた作品だとは思ったんですが、こんなに純粋で崇高な思いで、マスコミって動くんだろうかって?。

 ネット時代になって、日本のマスコミのあまりにも酷い状況(生態って言った方がいいい?)を、嫌と言うほど目にしてますからね~。もう黙って信じられる存在じゃなくなっているんですよ。日本じゃなくてアメリカなら?、とも素直に思えなくなるほど、疑ってしまう。

 というわけで、個人的な疑り深さが邪魔をしてしまったものの、この作品の中の新聞社の人々には賞賛の拍手を送りたい。それがマスコミの役目なんだよな~、ってことです。なんかエラそうに書いてしまって申し訳ありません。作品は面白かったってことで、オススメします。

「地下鉄(メトロ)に乗って」は行き先不安定、オチなんで?

 

 タイプスリップという表現でいいのかわかりませんが、地下鉄に乗ると時代を遡って、過去の世界に行ってしまうというファンタジー?作品。

 堤真一が主人公。何度も過去に飛ばされて、身近な人たちとの接触があるのですが、その飛び方がね、なんとも物語前提的というか、なんというか。簡単に言っちゃえば、神(学生時代の先生がそれっぽい)が主人公の心の中のわだかまりを取ってあげるため、いい具合に過去を経験させている感じ。つまり都合がイイ。

 最初はだれかわからなかったんですが、大沢たかおが堤のお父さん役なんですよ。最初出てきたときはそれなりの年齢だったんですが、それが似合わない。老人メイクがまるで嘘くさくて見てられない。うん、文句が多くてごめんなさい。

 で、この堤、てか主人公。暴力的な父親が大嫌いだったくせに、会社の同僚と不倫してるんですよ。ろくでなし、ってヤツですか。まあ、他の身近な人から「お前は父さんに似ている」って言われてますから、そういう設定なんでしょうね~。

 その不倫相手、この子が、イイ。もう、不倫相手って顔している。調べたら岡本綾っていう女優さんでした。キレイな人ですが、しっかりと不幸顔っていうのがにじみ出ていて、とても良かったです。

 でもですよ、オーラスでの彼女の行動がわたしには理解できない。オチなんで書きませんが、意味が分からない。彼女がどうのこうのってのも、確かにあるんですが、一番悪いのは、隣で父親の知られざるやさしさに触れて、ほっこりしているクソ野郎なんですよ。

 というわけで、観ている最中はここまで怒っていたわけじゃないんですが(それなりに、ふざけんな!とは思って観てましたが)、思い返して感想を書くと、文句の羅列になってしまいました。わたしだけなのかな、こんな感想を抱くのは?。困ったちゃんですね、ごめんなさい。

「木暮荘物語」(三浦しをん)は木暮じいさんが一番面白い

 

 ここのところ三浦しをんばかり読んでいる。この本も近所の古本屋で彼女の本をいくつかまとめて買ったもの。体調の悪さは徐々にではあるけれど、上向きな気がしてきている。そこにこの作品。いい具合に刺さったかもしれない。ちなみにちょこっと登場する「メモ」とは、わたしが読書中に書き留めているメモのことです。

 木暮荘という古いアパートに住む人々と、彼ら彼女らにかかわる人々のハナシが綴られている。文庫本のフォントが大きめで、老眼のわたしにはありがたい。章は七つに分れており、それぞれに主人公が設定されている。

 まずは木暮荘203号室の坂田繭(さかたまゆ)、26歳、女性。花屋の店員をしている地味な女の子。昔別れた元カレが、今カレ?と居るところに戻ってきて、てんやわんや、というハナシ。まあ、ヌルイ。一応男2人に囲まれる形の繭であるため、想像するに内心悪くない気がしているせいだろう。とっとと元カレと決別するなり、いっそのこと3Pしちゃうなり、すればいいと思った。ひどい男だ、わたし。

 2番目は木暮荘の大家である木暮じいさん。101号室に入る。70歳過ぎ。とあることがきっかけで、木暮じいさん、セックスがしたくてしょうがない。しをんさんよ、老人の性で遊んじゃいけませんって。

 このハナシが一番面白かった。てか、少々というかかなり先輩ではあるものの、木暮じいさんの悩みは、わたしの悩み。世の老人男性の悩みなのである(本当にそうか?)。ということで共感すべきところが多いわけだ。でもね、絶対に相いれない違いはわたしとじいさんの間にあるんです。彼は性欲のせいでセックスがしたくなったわけではないということ。そう簡単に、気軽に、セックスできる環境、状況ではないがゆえに、んん、ゆえにじゃないけど、セックスをすべきだと、否、どうすればセックスできるのだろう?、という迷宮に迷い込んだ子羊なのです。

 翻ってわたし。いやいや、そんなハナシは聞きたくないだろうから、止めておきます。まあ、土台というか基礎が違いこそすれ、どうすればセックスできるか?という迷宮自体は、似たような構造であるわけで、いろいろ感じるところがあったわけ。木暮じいさんにはデリヘル嬢のちなつちゃんをおススメしておきます。てか、それしか、ない。悲しいけれど。

 3番目は峰岸美禰(みねぎしみね)、28歳、女性。通勤駅の後方の柱になぜか水色の男根が生えてくるのを見つけた彼女。他の人は気づかない、が、ただ一人の見るからにヤクザ風の男性がそれを凝視している?。奥手の女性と1,000人斬りヤクザのほのぼのとしたおハナシ。「ある程度共感できる」とメモに書いてあった。何が?。

 4番目は1番目に登場した坂田繭が務める花屋の夫婦のハナシ。隣に喫茶コーナーみたいのがあって、旦那が対応している。この夫婦、以前は死ぬほどセックスしまくっていたらしいのだが、最近は音沙汰なし。ある夜ふと気づくと、旦那が夜中に出かけている!。完全に浮気を疑っている妻は、繭とともに夜中に外出した夫を追跡する。

 う~ん、ラストの方でようやく盛り上がってまいりましたが、そのままオチなしで終わった感じ。「ここまで不作だぞ、木暮じいさん以外は」とのメモあり。

 5番目は神崎(かんざき)、2年前の就職時に201号室に。ボロアパートゆえに生活音が筒抜け。そのボロさを利用して神崎は隣の202号室(空き部屋)に侵入し、階下の102号に住む女子大生の生活を覗く日々。

 この神崎、かなりの変人で、女子大生のダラしない生活を改善したいと思ったり、そのたくましさに憧れすら抱くようになったり。尋常じゃないです。ある日、過去の男に襲われそうになった女子大生を、部屋に飛び込んで助けるのですが、その後の彼女のセリフに度肝を抜かれる神崎。わたしだったら即死だわ。

 でもね、最期はこの女子大生が菩薩に見えてきましたよ。ふむふむ、いいね、彼女。

 と言う流れで6番目はその女子大生の光子、102号室。このハナシはとてもとても悲しい。光子がどれだけ辛い思いを、その小さな体に背負って生きてきたか。それを表現する言葉すら、わたしは持っていません。

 ラストは号泣です。「はるか」を知ってしまったことで、光子の悲しみはさらに深くなってしまったのだろうか?。他の人にとって当たり前のことが、当人にとってとてつもなく遠いことがあることを、忘れてはいけないと思う。メモより。

 最後の7番目は瀬戸並木(せとなみき)。1番目の坂田繭の元カレです。彼は繭をあきらめてアパートから再び出て行ったのですが、が、が、未練たっぷりに花屋の繭をストーカーしております。そんな彼を週に一度同じ花を買いに来る女性客、北原虹子(きたはらにじこ)に現場で声をかけられる。

 そこからこの二人の奇妙な関係がはじまります。この並木、基本モテるやつでくやしい!とメモありw。要はニジコが店員の繭を気に入っており、かといって百合ってわけでもなく、繭を心配して並木に声を掛けたら、そんな危険な人物でもないんで、念のために、監視のために、自分のマンションに並木を住まわせるという。ね、わけわからないでしょ?。しかし、ニジコにはニジコの複雑で特別な事情がありました。

 でもおハナシはこの並木の決意で終わりを迎えるのです。木暮荘の住人でもないんだけれどね。最後にメモからそのまま書きます。

 決してメインキャラでもないニジコと並木。木暮荘の暖かさを描写した後、並木が捨ててしまった愛、間違えた彼の行動、それを気づかせ、木暮荘のような場所を自分が持てるよう、人とのつながりを改めて考え、前に踏み出そうとする並木。

 ニジコは彼についていける?。いっしょに暮らしていける?。その結末は書かれていないが、しっかりと存在する未来に期待したい。たいへんだろうけれどね。メモ終了。

 というわけで、すっかり長くなってしまいました。最初の方はおそらく体調のせいもあって、イマイチな感想だったのですが、とてもいいハナシをいくつか読むことができました。それだけで大満足です。おススメです、ぜひ読んでください。

「ショコラ」は久々にワクワクさせてくれた

 

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 最近の体調の悪さのせいか、映画を観る力、本を読む力がげんすいしている気がしています。何を観ても、何を読んでも、なんか楽しくない。そんな日々が続いておりました。がですよ、この作品、久々に心が躍りました。風呂で視聴するという環境のせいで、3度ほどに分割して観たのですが、観ててとにかく面白かった。ワクワクした。気持ちが楽になりました。

 閑話休題。ショコラですからチョコレートのおハナシですよね。え?、テロップにジョニー・デップの文字が。まさかアレ?。いやアレはたしかチョコレート工場とかいう題名だった。ふむふむ、赤い服を着て旅をしている母娘が主人公。どこぞの田舎町。町長(村長だっけ?)のせいか、非常にお堅い。宗教的にお堅い。おそらくその当時の都会の人ですら、受け入れられないくらいの堅さ。

 そこに闖入者出現。しかも店舗を借りて、チョコレート屋さんをはじめる。なんでもその時期は断食の期間らしくて、チョコレートなんぞはもっての外、らしい。そんなときに開店するわけです。

 このお母さん、つまり店長、占いっぽいことでその人が好むチョコレートを調合することができます。その力を使って、徐々に、本当に苦労しながら少しずつ、お客さんを得ていきます。でも、町長の反発はずっとずっと凄くて、何かと嫌がらせ。そんな街の人たちと戦う、否、受け入れてもらうために頑張る親子の姿から、わたしはとてもたくさんの勇気をもらうことができました。

 終盤での悲惨な出来事。もうダメかと思われた時。あの人が、自分の人生をこの店長に変えてもらったあの人が。う~ん、ココが一番泣けました。自分を変えたあの人が、だれよりも強かったんだと。

 というわけで、あ、ジョニーのハナシが出てこなかった。ま、いい男ですよね、ジョニーは。立場的なアレがなければ、そりゃもう無敵状態かと思われます。ギターも弾けるし(すごくうらやましい)。とても大好きな作品となりました。ぜひ観てください。

「わが母の記」の簡単なメモ

 

 すいません、映画の視聴環境のせい(風呂場でタブレット&BTスピーカー)か、加えて還暦過ぎの己の聴力もあって、どうにもセリフが聞き取れない場面が多いこの頃です。音量を上げればいいってもんでもないんですよ。困ったものだ。

 いっそのこと洋画の字幕がありがたい。目で見えるからね。そういえばついこの間、岡田斗司夫のYooTubeで、聴力障害者の人から邦画の作品にもぜひ字幕を付けてくれ、という要望があるハナシをしておりました。お願いします、年寄りを代表してわたしからも。

 閑話休題。つまりこの作品をちゃんと視聴できていない、ということです。よって、簡単な忘備録としてのメモだけを。

 役所広司がまさにぴったしの厳格な父親役。しかも作家ときている。その母で、そろそろ物忘れがヤバくなった役を、樹木希林。いや~、この人の演技は凄いというかなんというか。物語的には徐々に痴ほう症を発症し、かつ進んでいく母をその家族の目線で描いております。お題は作家として母の記録を書いているから。

 いろいろな俳優さんが出ておりますが、やはり三女の宮崎あおいでしょう。かわいさは間違いなし。でもこの人を見るといつも思うんですが、彼女のかわいさって、子供、そう少女のそれですよね。わたしの職場のおばさんが宮崎あおいがお気に入りで、生まれ変わったらあんな容姿になりたいと言っておりました。それって、女性の美の基準で一番のときというのは、JDでもJKでもなく、少女の頃ってことじゃないかと。などと勝手に想像したりしております。

 というわけで、セリフの聞き取りづらさを悔やみながらも、最期まで大筋は追っていけました。ラスト前の海岸のシーンの出会いはちょっと無理があると思ったのは、正直に書いておきましょう。