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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「仏果を得ず」(三浦しをん)は文楽を知らんでも大丈夫

 

 ここのところ、本はこの人、三浦しをんしか読んでません。メモ(わたしは本を読むときメモを取るのです)の最期に感想が書いてあったので、それをそのまま載せます。

 感想メモ。

 まず、読む前に危惧していた「文楽」というモノを初心者のわたしに、延々と理解させようとしてくるのでは?、という疑問はキレイにとっぱわれました。まるでその気配すらない。確かにいくつかの物語を、そのまま語るところも多々あるのですが、これが生きてる側の人間の様子を、見事に写し取ったような展開。特に主人公の健(たける)の生き方、考え方、迷い、悩みを解決するためのストーリーとして書かれているワケですよ。別世界のハナシをぶつけられる感覚はまるでなし。

 文楽を題材にと決めたとき、どこまで読者に文楽そのものを押し付けられるのか?、としをんは悩んだと勝手に想像します。そして上記の手法以上には踏み込まないと決めたのだと。

 だからなのか、文楽の世界のハナシなのに、唄う大夫と三味線がメインで、人形遣いはほとんど出てこないという、不思議。つまりは説明はしたくなかったのだと。文楽を説明するだけのために、書き込みはしたくなかったと、と、と、勝手にしをんの気持ちを察するわたし。

 あとは真智(まち)とミラ(真智の娘)だな。文章だけではこの二人、どうしても魅力的な女性には見えないんだよね。真智は錆びた雰囲気のヤンママ、ミラはちびまる子ちゃん。まあ、アケミ(師匠銀大夫の女)は置いといて。

 やはり表紙絵ですよ。ここのミラちゃんと思われる少女の絵がかわい過ぎる。この絵がなかったら、ここまでミラに感情移入できなかっただろうね(どんだけしたんだ?)。にしても、銀大夫(右上)はまだしも、健(おそらく向かって左)と兎一郎(三味線)の絵はよろしくない。二人とも人間味がない。ミラちゃんを見習えっての。そうそう、チラちらと顔を出している人形もかわいい。

 感想メモ、終わり。

 というわけで、久々のしをんの文章の魅力を肌に感じたかも。読みやすく、登場人物が生き生きしている。読んでいて楽しかったです。おススメします。