例の上司から借りたコーラン三部作のメモはコチラ↓
「コーラン 上」(井筒俊彦訳)は不思議な本 - koyanの明石
「コーラン 中」(井筒俊彦訳)は宗教を考えさせる - koyanの明石
「コーラン 下」(井筒俊彦訳)は面白い - koyanの明石
その後に借りたのが、お堅そうな本↓
「「イスラム原理主義」とは何か」(山内昌之編)は難しいけど勉強になる - koyanの明石
さらにその後に借りた本が一番わかりやすかったというオチ↓
「イスラムの怒り」(内藤正典)はわかりやすく面白い - koyanの明石
そして今回の本がコレ↓
例の上司は「これ、難しいから」と言っておりましたが、こちらも前回に続いて非常に読みやすい本でした。他の本と勘違いしていたのか?。
そもそもタリバンの意味って「学生」?ってのを初めて知りましたよ。アチラのイスラム系の大学でしたっけ?、そこの学生が蜂起したのが始まりとか。テレビなどでよく聞いたワードでしたが、まるで無知でしたね、わたし。
で、アフガニスタンですよ。これもよく聞く国名ですが、その中身の知識はスカスカ。いや~、いろいろと勉強になりました。1979年のソ連のアフガニスタン侵攻。アメリカは隣国のパキスタンと一緒に、アフガニスタンの部族から生まれたゲリラを支援。
その後、ソ連は撤退したものの、アフガニスタン内部で7つの部族からなるゲリラが内乱状態。そこを抑えて国の政権を奪取したのがタリバンだと(新政権奪取はまたその20年後です。この本は2001年10月初出版)。毎度のこと、アメリカは碌なことしませんな、イラン・イラク戦争から湾岸戦争にかけても、酷いもんです、アメリカ。
アフガニスタン自体がインドと中央アジアの中間点という地理的な重要性がありながら、否、あるおかげで他国の影響をいろいろと受けざるを得ません。東のパキスタンが味方かというわけでもなく、アメリカやロシア、中国にとってもおいしい場所。しかもイスラムの国なわけで、災いは降るようにやってきます。てな理解でよろしいんでしょうか?(ちょっと自信ない)。
ともあれ、この著者。フィールドワークをちゃんと行っていますので、現地の人々のインタビューなんぞはとてもリアリティーがあり、面白かった。
というわけで、今回も欧米がちゃんとイスラムの人々と向きあおうとしないが故の、数々の失策やら誤解が書かれております。そんなわたしもこの一連の出来事がなければ、そう、上司にコーランを借りることがなければ、こんな批判を書く資格もなかったわけで、す。いつでも手を伸ばせば得られる知識、なのに。
どれか一つでもいいから、一度イスラム関係の本を読んでみてはいかがでしょうか?。思い切りオススメしておきます。