以前とある誤解から読んでしまったニーチェの解説本↓
面白かったんですよ、お題のように。でも、2回読んでもまだまだわからない。そう、肝心の要のところが理解できないむずがゆさ、があるんです。そこでとある古本屋で目に入ったこの本を買ってしまったと。いわゆる解説本なんですが、これがまたこの.....。
まだ若い社会人の男の前に、昔の同級生から突然の会いたいという連絡が。なんと彼はニーチェを師匠としている?、かつ、ニーチェをいたこのように自分の体に降ろせるという。彼が言うには、プラトンの生まれ変わりがパウロで、そのパウロの生まれ変わりがカントで、お前はそのカントの生まれ変わりだと言う。彼らが世の中を腐敗させてもうヤバいので、お前に死んでほしいと。
そんなストーリーに乗っかってニーチェのおハナシが解き明かされていくわけだ。でもね、最初はその設定の楽しさや、やさしい解説で面白かったのに、肝心要の究極のところ、ニーチェは何を言いたかったのか?がよ~くわからんのです。
って、ずいぶん省いて書いているんで、何言ってんだお前はとなるでしょうが、解説本が不親切なのか?、わたしの頭がしょうもないのか?、とにかく根本的なところで理解ができない。
概念というものを嫌ったニーチェ。自分の見たものを信じるのだ、といっても、どう信じるかってのがあるじゃないですか?。作られた神は幻想ってのもわかるけれど、対比される信じるべきモノが、わたしにはよく理解できません。
でもね、この文章は気に入りました。日本国憲法の9条はけっして悪くはないでしょ?という問いに、「市街地に絨毯爆撃を加えて一般市民を大量虐殺した上に、核兵器による人類史上最悪のホロコーストを行ったアメリカが、憲法だけはすばらしいものを与えてくれたと本気で信じているの?」。特に前段のハナシはなぜか日本ではほとんど語られない事実です。原爆と同じくらい怒っているんです、わたし。わたしゃアメリカなんて決して信じちゃいません。
ユダヤ・キリスト教的価値転倒、そして民主主義さえも否定するニーチェ。もっともっとそのハナシを聞きたい。でも、本はすべてを明らかにしないままに終わってしまう(とわたしには思えるのです)。
というわけで、前にも思ったんですが、ニーチェの解説本じゃなくて、ニーチェの本そのものを読んだ方がいいのかな?と。でもね、絶対にもっともっとわからんと思うよ、わたしの頭じゃ。すんごく読みにくそうな気がするし。でも、1冊くらいは読んでおくべきでしょう、きっと、うん。自信ない。