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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「ひとごろし」は松田優作のコメディ時代劇

 

 もちろん松田優作主演ということで予約録画。そしたらずいぶんとお若い優作が出てきましたよ。調べて観たら1976年の作品でした。しかも役どころが藩内図一の臆病者という変わったキャラ。その評判のせいで、お年頃の妹である五十嵐淳子に嫁の貰い手がないくらい。

 よくある設定として、臆病者に見えて実は剣の達人であった、なんていう隠しネタはまるでなし。ここで登場するのが相手役の丹波哲郎。いや~実に渋くて格好良くて強そうなおっさんである。その剣の腕前を見込まれて外部から取り立てられるとともに異例の出世。当然、内部の同僚からは嫌われる。

 それがなんと殺してしまおうというところまできて、とうとう何人かが丹波哲郎の刀の錆に。けんかを吹っ掛けられた丹波はまるで悪くないと思うのですが、なぜか藩を出て旅に出る丹波。それを追って仇をとる役目を買って出たのが、さきほどの臆病者の松田優作。

 もちろん、面と向かって戦えば勝てる見込みはゼロ。そこで松田は心理作戦に。もうそれが姑息なやり方で、お茶屋とか、旅籠とかで丹波が休息を取ろうとすると、「この人はひとごろしですよ、近くに居ると斬られてしまいますよ~」と叫びまくる。大騒ぎになった丹波はその場から追い出されてしまう結果に。

 この時点でコメディとも言えなくもないですが、現実的な対応として悪くはない。でもさ、この後の道中の描写がいけません。丹波の歩くわずか20mくらい後を、ひょこひょこと松田がついて歩いている。怒った丹波が振り返ると、さっさと逃げる松田。

 あのさ、これ、丹波が本気で追っかければ、松田は一貫の終わりですよ。特に脚が速いという設定でもなく、しかも怪我をして脚を引きずっているときも、コレですから。これでコメディ作品決定です。絵的にそういうのを入れたかったのはわかりますが、もちっとリアルな感覚を保っていれば、作品の深みも増したと思うのに残念です。

 そうそう、途中で宿屋の若女将が松田に随行。この人がなかなかにイイ。先の五十嵐淳子もめちゃ可愛かったけれど、五十嵐にはない色気と言うかエロさが、体全体から滲んでいます。おっと、そういうシーンがあったわけではありませんよ。そう感じさせるものがあると。彼女の名は高橋洋子。もちろん知ってます。当時はそれほど好きではなかったですが、年取ってから見ると、違う魅力が見えてくるものなんですね。

 そしてオーラス。ここもそれなりにちゃんと仕上げているんですよ。だからこそ、あの道中の追っかけ描写が残念なんです。

 というわけで、何度も書いてアレなんですが、残念なところがあるっちゃ~あるんでうすが、名前を上げた若い俳優さんたちを見るだけでも価値がありますし、全体としては良好なつくりの作品と思います。時代劇がお好きな方におススメしておきます。