- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2001/10/26
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清順監督初期の作品かと思っていたら、日活時代に随分と沢山の映画を撮っていたんですね(参照)。解雇後、10年間は作品なし。1977年に「悲愁物語」で監督業に復帰し、1980年にわたしの大好きな「ツィゴイネルワイゼン」が公開されてます。
翌年には松田優作主演の「陽炎座」があります。前から観たいと思っていた「ピストルオペラ」(2001年)は、この「殺しの烙印」の後日談とか。ついこのあいだ鑑賞した「オペレッタ 狸御殿」(2004年)以後はまだ撮っていない模様。1923年の生まれですから、今年で84歳ですよ、お元気なんでしょか?。
閑話休題。殺し屋の世界を描いた作品で、No.1、2、3、4といった上位ランクの殺し屋たちが出てくる、いわゆるハードボイルド映画。計算によると33歳と思われる主演の宍戸錠(No.3の花田五郎)が若い若い。他の殺し屋たちが日本人然としているのに、錠さんだけが甘いマスクで、妙にカッコいいというか、いろんな意味でイイんだな〜。まさにハマり役。途中から登場する謎の女美沙子(真理アンヌ)も妖艶っすよ。
年代が年代だけに、言葉使いやら音楽やらが古臭いってのはしょうがないですね。でもそれだけで済まされる映画じゃないのは、観てもらえればわかると思う。例えば最初のアクションシーン。トンネル付近での銃撃戦も悪くないですよ。ピストルの音がショボイけど、やたらリアル感に欠ける邦画特有の撮り方とはひと味違う。チョイ出のNo.4のスタイリストの高もコミカルながらイイ味出してます。
なによりも、スパッとしたカット割や自由奔放な構図なんぞはいかにも清順監督らしいっすよね。五郎が命を狙われはじめてからのブッ飛び振りは、まさに清順ワールド。No.1(南原宏治)との対決に至っては、もうチンプンカンプン。日活の社長が怒ったのも無理ないかと。しかしイイ演技というか、なんとも言えない不条理さがにじみ出てますね、南原宏治。
というわけで、年代を考えると改めて凄い作品だな〜と感心せずにはいられません。さすが清順監督っす。ってのがひいき目に観たわたしの感想。誰にでもお勧めできるって作品ではありません。