百田尚樹ですよ、あのスキンヘッドのおしゃべりおじさん。実はわたし、彼の本はまるで読んだことがありません。この間「海賊と呼ばれた男」(「海賊と呼ばれた男」のメモ - koyanの明石)という彼の本が原作の映画を観まして、なんかイマイチだったんですよ。それが映画のせいなのか、原作のせいなのかがわからないじゃないですか?。なもんで、何かしら彼の本を1冊読んでみようと、何気に選んだのがこの作品。
当然頭の中にはシャーリーズ・セロンとクリスティーナ・リッチの2人の顔が浮かんでおりました、大好きな映画ですから。
さて百田尚樹のモンスター、超美人なのに頑張って醜い女を演じたシャーリーズ・セロンと違って、元は醜い女の子が、それゆえに世間から酷い目に遭う辛さを見返すために、何年にも渡って稼いだお金を自分の美のためだけに注ぎ込み、誰もが認めるとびっきりの美女に変身します。
この辺の何度も何度も整形手術を繰り返していく、美への執着心をですよ、あのスキンヘッドのおじさんがものの見事に、かつ詳細に描いております。わたし的にはその件の度に、あの顔と頭が浮かんで違和感覚えまくり。なんでオッちゃんがこんな細かいこと知ってんの?って。一応その点には感心するしかありません。
主人公の彼女がそれほどまでに美に執着したのは、何も世間を見返すためだけではありません。そう、彼女には幼い頃の淡い思い出。その思い出の男の子と偶然にも高校のクラスが一緒になるという奇跡。がしかし、彼女は自分の醜さゆえその思い出も、ましてや彼への気持ちすら伝えることができません。美しくなって、彼に愛されたい。コレこそが彼女の美への執着の原点でした。
というわけで、予想外の内容に正直戸惑っております。百田尚樹の見た目を知らなければ、素直に読めたのに。コレがメインの感想。そして悲しさ。しばし呆然とするほどの、悲しさ。オススメです、読んでみてください。ついでにわたしの好きな2人の女優さんの、同名映画もぜひ観てほしい。