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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「はじめての」(島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都)とYOASOBIの共演がすばらしい

 

 4人の直木賞作家がYOASOBIとコラボレーション。それがこの本の主旨。「はじめての」という題材を4人の作家に与え、短編小説を書かせて一冊の本にする。いや~、それだけでも恐ろしい企画だ。しかもその作品をそれぞれAyaseに曲にしてもらい、当然のようにikuraが歌う。そんな重責に耐えたAyaseはエライ。

 てか、もともとYOASOBIって、物語を曲にするをコンセプトに作られたユニットみたいなことを言ってました。そう、なぜこの本を読んだかと言うと、NHKでまさにこの特番が放送されたのを偶然録画したからです。

 4人の作家も登場し、それぞれYOASOBIと短い対談をした後、曲の披露という形式。ちょっと待て、この本、つまり原作となる本を読んでからこの番組を観た方がいいだろうと。そりゃそうだ、ということで本を購入して読んだ次第。

 まずは島本理生。読んだことのない作家さん。アンドロイドとその保有者の心の交流を通じて、「好き」という感情をアンドロイドが知る、そんな物語。「好き」という今まで持っていなかった気持ちを、主人との生活の中で理解していくアンドロイド。その過程を丁寧に描写する。

 楽曲。小説をもとに曲を書いて、その原作者の前で出来上がった曲を披露するって、どんだけ~~~!、ですよ。で、曲の方もいいんですよ。ちゃんとその世界を描いている。でもひとつだけ、いっしょに使われていたアニメ。主人と離れて地下鉄を進むアンドロイドがね、涙流しているんだよ。これ、原作と違います。そう見せた方がわかりやすいんだけどね。でも、涙なしでその気持ちを描いた作家にすりゃ~、おいおいこのアニメ、ズルいぞと思われたのでは?。

 次は辻村深月。どっかで見たことのある名前だと思ったら↓

koyan.hatenablog.com

の作者さんでした。家出したJK?だっけかが最期と決めた場所、海にたどり着いたときに一人の少女(幽霊?)と出会う。彼女との会話を通じて云々というストーリー。非常にわかりやすい。類型的すぎないかとも思うが、その類型的なオチもあるが、最後にほんわか暖かくなったんだから、素敵な作品だと思う。

 楽曲、もうね、以下同文ですよ。Ayaseはエラい。

 3人目は宮部みゆき。お~、大御所ですよ。しかし大御所ってのは大御所なりにたいへんだ。だって立場ってものがあるじゃない。みゆきさん、めっちゃ気合入ってます。もうこれでもか!ってくらいのストーリー設定。短編なのに短編の情報量じゃない。とんでもなく詳細な土台作りに脱帽です。

 あ、えっと、おハナシはパラレルワールドが存在する近未来。鏡写しのように同じ人物がそれぞれの世界に生きているのですが、社会の仕組みが違う。片や独裁国家。で、元気な女の子がその悪い世界をどうにかしようと活躍するストーリー。なんか面白いとかなんとか思う前に、その圧倒的な情報の多さに驚くだけ、ってのが正直な感想。さすがは「ICO」の原作を作り上げちゃった人だ。

 4人目は森絵都。この人もはじめて。なんていうんだ?タイムリープってやつ?。とにかく好きでしょうがない男子がいる元気な女の子。小さいころからもう3度も告白をして失敗に終わっている。で、JKになってたのかな?、4度目の告白は衝撃的に行いたいから、過去の3度の告白をないことにしたいと、とある能力者のもとに。

 えっとね、このおハナシだけは読んでて共感ができなかったんですよ。なぜに過去の告白を消す?。その過去があるからこそ今の関係が築けたのでは?。とまさにストーリーどおりの感想を抱かされ、それで良かったんだよっていう望む通りの結末を迎える。

 これって作者の手のひらの上で遊ばれているってこと?。うにゃ、そもそもの設定が甘すぎるんだと思うよ。とすごくキツイことを、正直に思ったんで書いておきます。

 というわけで、作家同士のバチバチも大変でしょうが、それを受け入れたAyaseをどうしてもほめたくなる。そしてちゃんと結果を残している。もう一度こういう企画を?と聞かれ、苦しいけど楽しいからやりたいと答えたAyase、彼は常人じゃんないよ。

 そうそう、最後にフト思ったこと。ikuraの歌は凄いと思うんですよ。思ってます。でも今回の4曲を観ていてね、ああ~ikuraの振り付けっていうか踊りっていうか動き?、いつも同じだな、って。ごめんなさい失礼過ぎました。