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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「淋しい狩人」(宮部みゆき)のドラマが録れたので原作を先に読んでみた、ら(唖然)

 

 お題の件、BSの番組表を毎日漁っているのですが、たまたま宮部みゆきの文字を発見。2時間ドラマ「淋しい狩人」です。もちろん原作は未読。先にドラマを観ようかとも思ったのですが、おそらく原作の方がボリュームあるでしょうから、先に本を読もうと古本発注。

 手元に本が来て、中を開いて、ふむふむ章立ての最後に作品名が使われている、なんて思っていたらですよ。表紙の裏の短い説明の最後の言葉に愕然とする。なんとこの作品、短編集だったのです!。アーメン。

 いや、とある作品で短編集を読んだとき、当然のことながら一つ一つのボリュームの少なさに、物足りなさを感じていたもので、短編集と知るとどうしても上記のような反応をしてしまうのです。

 実はですね、短編集とは知らずに最初のおハナシを先に読み始めてしまったのです。もう一つ「実は」の件があって、ドラマの方もちょっとだけ、そう冒頭10分くらい観ているのです。観ていて「こりゃ原作本先の方がいいんじゃね?」と思い、視聴を止めたという。

 原作本は6章構成で、先に書いたように本のお題の「淋しい狩人」は第6章なんですね。初めから本を読むじゃないですか、当然のようにドラマの冒頭のシーンが出てこないんですよ。あまりにも違うハナシなんで、不思議に思っていて裏表紙の「短編集」という記述に気づいたわけです。関係ないハナシ長くてすいません、あまりにもショックだったもので。

 ちなみに、第1章をそうそうに片づけて、次はお目当ての第6章を読んでます。早くドラマと比べたかったんですよ。

 閑話休題。以前読んだとある短編集と同じで、基本的な登場人物は固定されております。主人公たちってヤツです。荒川土手のビル1階の田辺書店という古本屋さんが舞台。この古本屋の店主(樺野裕次郎)が亡くなった時、親友だったイワさん(岩永幸吉)を孫のが手伝うからと説得したそうな。このイワさん、ぜんぜん本に詳しくないんだが、大丈夫なのか?、ってのが第一印象として強く残ってます。

 稔は現役高校生で、神奈川だっけか、息子夫婦と一緒に暮らしているんですが、週末はイワさんを手伝いに、泊まり込みで古本屋に来るという生活を送っております。そうそう、もうひとり大事な主人公仲間が、樺野裕次郎の息子である樺野俊明、独身。彼は私服刑事。ほらね、事件とくれば刑事の出番ですから、ね。

 これでやっと本題に入れます。原作本を中心に、ドラマがどう改編されているのかを書いてみます。

 第1章そうそう、イワさんの家ですき焼きパーティーをやったのですが、ドラマではイワさん(北大路欣也)の息子の家で鍋パーティー。驚いたことに、原作本ではぴんぴんしているイワさんの息子、ドラマでは謎の死を遂げたらしく仏壇に。嫁さんは藤田朋子。稔は須賀健太。パーティーにお邪魔している樺野俊明は田辺誠一が演じてます。

 第6章でのヒロイン的存在が安達明子。彼女の父親が安達和郎。彼は作家で「淋しい狩人」という未完の推理小説の著者。彼はこの作品の執筆中、今から12年前に磯釣りに行ったまま行方不明。小説は1/3を残して宙ぶらりんのまま、遺作として出版される。

 はい、ドラマです。安達和郎は磯釣りではなくて、山で遭難したそうな。なんでこんなところ変えるんでしょか?。

 原作本に戻って、その安達明子がイワさんの田辺書店に相談に来る。21歳、デパートに努めてまだ1ヵ月。実は彼女、18歳の短大生のときに、父親の蔵書の整理をイワさんに頼んでおり、何度も彼女の家に行っているという、顔見知り。

 はい、ここでドラマ。驚くことに安達明子(加藤あい)、目が不自由です。そりゃもう、ビックリしましたね。仕事もデパートではなく、猫の立体的な刺繍のようなものを作っております。

 原作本に戻ります。相談というのは、「淋しい狩人」の熱心なファンからの手紙。自分はこの未完の部分を推測できると。そして2通目の手紙、物語は完成し、実社会で自分が現実のものとして世に問うと。

 「淋しい狩人」の内容は、連続殺人犯のおハナシ。5人の被害者がナイフで心臓を一突きという同じ方法で、息を引き取っている。一見なんのつながりもないこの5人が、なぜ標的になったのかを犯人が告白する前に、執筆が終わっている。

 最初の新興住宅地での殺人事件に類似するかのように、八王子の公務員が胸を刺されて殺されたという新聞記事。2通の手紙とその記事をもって安達明子は相談に来たのだ。

 はい、ドラマ。うろ覚えで間違ってたらごめんなさい、連続殺人事件は原作の5人ではなく、もっと数が多かったと記憶しております。そして決定的な違い。心臓一突きの殺害方法は一致してますが、もう一つ犯人が残すものが追加されております。被害者の手のひらに「38」という数字をナイフで刻むこと。あれ、この数字、何だったか忘れちゃいましたよ、すいません。

 原作本。恐れていた2度目の殺人事件。山下公園でOLの刺殺死体が発見される。ちょっとこの辺になると、ドラマの内容があやふや過ぎて比較が難しくなってしまいました。大筋だけ書くことにします、すいません。

 そうそう、ドラマでのあの38という数字、ググったら出てきました。アメリカでの実際の強姦事件で、助けを求めた被害者にだれも手を差し伸べることをしなかったと。彼女は亡くなり、その傍観者の数が38人であったと。

 という具合に、ドラマでは傍観者を悪として、処罰している犯人の心理があります。原作本ではどうだったのでしょう。なんと行方不明だった著者の安達和郎が姿を現したのです。

 彼はテレビの記者会見で、すべてを打ち明けました。「淋しい狩人」は社会派の作品を書くというプレッシャーの中、どうしてもそれを完成させることができず、逃げ出したのだと。つまり、「淋しい狩人」は失敗作で、5人の被害者の関連もなにも存在していない、出来損ないの小説だったと。犯人は謎を解いたと言っているが、それはでたらめ、まがいもの以外のなにものではないと。

 ドラマでは主題である傍観者は悪いという流れで、原作本にはまるで書かれていないいろいろな登場人物、事件などを絡ませて膨らんでいきます。

 というわけで、すいませんね~、わたしは何が書きたかったんでしょう?。一言で言えば、なんで原作本とドラマがこんなに違うねん!?。ってことだよね。だったらこんな細々と書かんでもいいと思うんだけど、もう書いちゃったからそのままで。

 そう、わたしの一番の謎は、ドラマ化にあたって2時間の枠があるじゃないですか?。原作本はあくまでも短編集の1つのおハナシ。それなりにハナシを盛らないと、ドラマ作れませんよね?。

 だから内容をある程度変えるのは致し方なし、とも思うのですが、コレって原作者である宮部みゆきも、変更にかかわっているんでしょうかね~?。もちろん承認すら取らずに放映なんてありえません。

 はたして、原作者交えた会議を重ねて、この改編が行われた?。いや、現実的に考えると、ドラマの脚本家が仕上げた新たな脚本を、宮部みゆきがチェックしてOKを出しただけ?、ってのが濃厚な気がするんですが、どうでしょうか?。

 ともあれ、原作を変え過ぎなんですよ、すご~く変え過ぎ。ドラマってみなこんな感じなの?。この辺の実情、知りたいと思うわたしでした。意味もなく長くなって、ごめんなさい。