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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「コンテナ物語」(マルク・レビンソン)は面白いけど長い

 

 岡田斗司夫のYouTubeで、あのひろゆきが絶賛していたと紹介していた本。釣られて買いました。ビル・ゲイツが帯書いてます。

 見た目通り厚く長い本。でも中身をペラペラとめくると、巻末の注釈ページがやたらあるんで、実質は本の厚みの85%くらい?。少しだけ安堵して読み始める。

 そりゃワクワクするところもありますよ、あのコンテナという規格品が世界の物流を変えたってハナシだから。それが物流だけに収まらず、港湾拠点、生産国、製造工程の変化等、経済に多大な影響を与えています。

 その本道のハナシだけ書いてくれれば、文書量はこの1/10で済んだかも?。だってさ、どこそこの役人や運搬会社のだれだれがどうしたとか?、もう、細かい詳細な話で溢れています。たま~に日本の会社名が出てくれば、フムフムと少し興味もわくのですが、欧米、特にアメリカのいろいろな企業のおハナシされてもね~。あ、すいません、あくまでも日本人にとって、否、わたしという日本人にとってです、はい。

 それにしても、規格を作るってことが予想は出来ますが、こんなにも困難なことであることは、しっかりとわたしの骨の髄まで沁み込ませることができたのは、この本のおかげです。既存のルールを変えるって、ホントにたいへん。

 というわけで、いつも小説ばかり読んでるわたしですが、たまにはこういう本もヨカンベと手を出した結果、かなり疲れましたが、勉強にはなったと思います。というか、この本を読んで一番したくなったこと、横浜辺りのコンテナ基地をこの目で見たくなりました。前にテレビで巨大クレーンは見たんですけどね。

「正欲」(朝井リョウ)は何か納得できない何か何か

 

 本屋大賞ハズレなし、という家訓にのっとって購入した本。お題のとおりこれは性欲について書かれた本である。しかしその性欲が社会的に正しいものなのか?、否、性欲に正しいとか正しくないとかあるんだろうか?。そういう思いが喉の奥に引っかかったまま、最期まで納得できずに読み終えてしまいました。

 性癖と言った方がわかりやすい?。だれしも人に言えないような性癖のひとつやふたつある?、え?、オレだけ?。その入り口から否定されると何も言えなくなるんですよね。

 主人公のその受け止め方が、とにかく重い。自分は人と違う。だから社会からはみ出している。社会に受け入れられていない存在。生きていても仕方がない、明日なんてなんの価値もない。いやいや、なんでそうなるの?。いいじゃん、水が好きだって。そりゃ変わっているよ。でもさ、変わっている人なんてごちゃまんといるんだから、気にするな!。と言いたい。

 その重さの覚悟を、最後にしっかりと仲間を通じて見せてくれたのは、いい。いいよ、格好いいとすらいえる。だから、普通に生きようぜ。ん、普通ってなんだ?。

 というわけで、どうにも彼と彼らの気持ちがわからずに、消化不良のような読後感でした。おっと、一つ聞いてイイですか?。カバーの裏の説明に「ある事故死をきっかけに」とあるんですが、事故死ってなに?、誰が死んだの?、マジわからないから教えて。えっ?、もしかしてあの同級生の男???。もっと登場人物みんなの人生が重なるような事故死かと思ったよ。

 そうそう、神戸八重子ちゃん、どうにも好きになれないキャラだったけど、終わりの方の大也に切った啖呵、格好良かったよ、とても。

「悶絶スパイラル」(三浦しをん)櫻井敦司よさらば

 

 例によって三浦しをんの楽しいエッセイ集から。読み終えたのはだいぶ前です。しかし数日前のとんでもないニュースが。あのBACK-TICKのボーカルの櫻井敦司が、コンサート中に倒れたニュースはそれより前に知っていたのですが、その数日後に病院搬送後に亡くなられていたことが発表されました。

 わたしは彼がどんな人かも知りません。でも、三浦しをんが熱狂的な大ファンであることは、エッセイの読者として当然のように知っていたわけです。彼女の心中を察するにいたたまれなくなります。その悲しみやどれほどのものか?。どうぞしっかりと気を保ち続けてくださいませ。

 というわけで本の感想なのですが、いつもどおり楽しいしをんでありました。驚いたことに、表紙を描いている漫画家さんが、巻末に数ページの漫画を描いてらして、そこにはなんとも美し過ぎるしをんが描かれております。そして格好良すぎる弟も。ここ、笑うところでしょうか?、失礼しました。

「ピースメーカー」はニコール目当て

 

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  • ジョージ・クルーニー
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 よくありそうな内容。テロ組織が核弾頭を盗み、それを取り戻すべく戦う男と女。ふむふむ。男はジョージ・クルーニー。元特殊部隊?の精鋭みたいな設定なので、自分でガンガン行くタイプ。そして女がニコール・キッドマン。コレですよ~。

 ニコールはね、背がとても高い。でもさ、大柄な女性にありがちな無骨な体じゃないんだ。なんたってお尻がとてもかわいい。元旦那?のトム・クルーズと共演した、変装パーティーみたいな作品で、奇麗でかわいいお尻を披露してくれました。それ以来、ファンです。

 今回はそうゆう特典はなしですが、ちょっとしたプールシーンや、パンツルックで目の保養をさせていただきました。ありがとうございます。

「チップス先生さようなら」はとても素敵な作品です

 

 1969年の作品。前にも絶対に観ているけれど、記憶がないので予約録画。題名的に最後に惜しまれつつ教壇を去る風景が目に浮かぶ。ありきたり?。

 でもね、観終わってとても感動しています。いい作品です。最初、テニスの試合に出たがっていた子を、授業の延長で許さなかったチップス先生に大いに反感を抱きました。こういう先生って絶対に好きになれないと。

 その点だけが心に引っかかったまま、舞台女優との出会いへ。いや、あれだ。書いちゃいけないのかもしれないけれど、あんまし奇麗な人じゃないし、若くもない。どちらかというとベテラン女優の顔。

 再び、でもね。おハナシが進みにつれ彼女の良さがわかってきます。ある程度歳を召した感じの彼女はとてもキレイに見えました。とにかく素敵な女性。彼女だからこそチップス先生を愛せたんだと思います。そして彼女だからこそ、チップス先生も愛したんだと思います。

 ミュージカルっぽいところもあって、おやおや?と思ったのですが、曲がすごくいい。スローでわかりやすく、心にしみてくるような曲。曲数も増やし過ぎることなく、印象的に使いまわす。いい。

 ラスト、もう泣くしかありません。そんなことになるなんて。そしてオーラス。彼はあのテニスの子のことをずっと思っていたんですね。許しますよ、はい。

 というわけで、とてもとても素敵な作品でした。好きです。みなさんもぜひ観てください。そうそう、チップス先生の走る姿、とても迫力があって、好き。

「はじめての」(島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都)とYOASOBIの共演がすばらしい

 

 4人の直木賞作家がYOASOBIとコラボレーション。それがこの本の主旨。「はじめての」という題材を4人の作家に与え、短編小説を書かせて一冊の本にする。いや~、それだけでも恐ろしい企画だ。しかもその作品をそれぞれAyaseに曲にしてもらい、当然のようにikuraが歌う。そんな重責に耐えたAyaseはエライ。

 てか、もともとYOASOBIって、物語を曲にするをコンセプトに作られたユニットみたいなことを言ってました。そう、なぜこの本を読んだかと言うと、NHKでまさにこの特番が放送されたのを偶然録画したからです。

 4人の作家も登場し、それぞれYOASOBIと短い対談をした後、曲の披露という形式。ちょっと待て、この本、つまり原作となる本を読んでからこの番組を観た方がいいだろうと。そりゃそうだ、ということで本を購入して読んだ次第。

 まずは島本理生。読んだことのない作家さん。アンドロイドとその保有者の心の交流を通じて、「好き」という感情をアンドロイドが知る、そんな物語。「好き」という今まで持っていなかった気持ちを、主人との生活の中で理解していくアンドロイド。その過程を丁寧に描写する。

 楽曲。小説をもとに曲を書いて、その原作者の前で出来上がった曲を披露するって、どんだけ~~~!、ですよ。で、曲の方もいいんですよ。ちゃんとその世界を描いている。でもひとつだけ、いっしょに使われていたアニメ。主人と離れて地下鉄を進むアンドロイドがね、涙流しているんだよ。これ、原作と違います。そう見せた方がわかりやすいんだけどね。でも、涙なしでその気持ちを描いた作家にすりゃ~、おいおいこのアニメ、ズルいぞと思われたのでは?。

 次は辻村深月。どっかで見たことのある名前だと思ったら↓

koyan.hatenablog.com

の作者さんでした。家出したJK?だっけかが最期と決めた場所、海にたどり着いたときに一人の少女(幽霊?)と出会う。彼女との会話を通じて云々というストーリー。非常にわかりやすい。類型的すぎないかとも思うが、その類型的なオチもあるが、最後にほんわか暖かくなったんだから、素敵な作品だと思う。

 楽曲、もうね、以下同文ですよ。Ayaseはエラい。

 3人目は宮部みゆき。お~、大御所ですよ。しかし大御所ってのは大御所なりにたいへんだ。だって立場ってものがあるじゃない。みゆきさん、めっちゃ気合入ってます。もうこれでもか!ってくらいのストーリー設定。短編なのに短編の情報量じゃない。とんでもなく詳細な土台作りに脱帽です。

 あ、えっと、おハナシはパラレルワールドが存在する近未来。鏡写しのように同じ人物がそれぞれの世界に生きているのですが、社会の仕組みが違う。片や独裁国家。で、元気な女の子がその悪い世界をどうにかしようと活躍するストーリー。なんか面白いとかなんとか思う前に、その圧倒的な情報の多さに驚くだけ、ってのが正直な感想。さすがは「ICO」の原作を作り上げちゃった人だ。

 4人目は森絵都。この人もはじめて。なんていうんだ?タイムリープってやつ?。とにかく好きでしょうがない男子がいる元気な女の子。小さいころからもう3度も告白をして失敗に終わっている。で、JKになってたのかな?、4度目の告白は衝撃的に行いたいから、過去の3度の告白をないことにしたいと、とある能力者のもとに。

 えっとね、このおハナシだけは読んでて共感ができなかったんですよ。なぜに過去の告白を消す?。その過去があるからこそ今の関係が築けたのでは?。とまさにストーリーどおりの感想を抱かされ、それで良かったんだよっていう望む通りの結末を迎える。

 これって作者の手のひらの上で遊ばれているってこと?。うにゃ、そもそもの設定が甘すぎるんだと思うよ。とすごくキツイことを、正直に思ったんで書いておきます。

 というわけで、作家同士のバチバチも大変でしょうが、それを受け入れたAyaseをどうしてもほめたくなる。そしてちゃんと結果を残している。もう一度こういう企画を?と聞かれ、苦しいけど楽しいからやりたいと答えたAyase、彼は常人じゃんないよ。

 そうそう、最後にフト思ったこと。ikuraの歌は凄いと思うんですよ。思ってます。でも今回の4曲を観ていてね、ああ~ikuraの振り付けっていうか踊りっていうか動き?、いつも同じだな、って。ごめんなさい失礼過ぎました。

「7月4日に生まれて」の記録だけ

 

 オリバー・ストーンだったっけか?、トム・クルーズ主演のベトナム戦争映画。自分で志願して戦争に行って、ベトナムの民間人、女子供、赤ちゃんまで殺して、自分が被弾して下半身不随の車椅子生活になって帰ってきて、オレは政府に騙されたんだって、もうアメリカそのものって感じの作品。

「舟を編む」の記録だけ

 

 ビデオデッキのおまかせ機能で録れた映画。もちろんキーワードは三浦しをん。この作品、前に一度観ているし、アニメ版も観ている。でも、また観たくなって消さずに鑑賞。

 なんだろね~、しをんって人。エッセイではあれだけ読む人を笑わせるのに、その人が書いたのか?ってくらい凄い作品を書ける人。前に読んだ「風が強く吹いている」?もそうだけど、この手の作品って現場の人に何度も何度も取材して、いろんな細かいことをほじくり返さないと書けないもの。おそろしく手間がかかる。それをやりとげちゃう、すごい人。

 今回もとても感動。二階堂ふみ、相変わらずかわいい。しをんの好きなオダジョーが出演している。おハナシとかできたのかな?。

「ジュディ 虹の彼方に」は大女優の悲しい物語

 

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  • レネー・ゼルウィガー
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 中学生の頃、何も知らない友人を誘って新宿まで「ザッツ・エンターテイメント」を観に行ったわたし。ミュージカルに本格的な興味などなく、いろいろな大作をつまみ食いできるこの作品に、食指を伸ばしたのではないだろうかと、今思えば不思議な体験。てか、付き合わされた友人に陳謝。

 当然「オズの魔法使い」のジュディ・ガーランドは知っていた。娘がライザ・ミネリであることも。そしてなぜかその血縁が「スター・ウォーズ」のレイア姫へと。って、今調べたらレイア姫を演じたキャリー・フィッシャーって、デビー・レイノルズの娘だったのね、あの「雨に唄えば」の。なんかジョディとデビーって似てる?、オデコちゃんだからw。

 閑話休題。ジョディの自伝映画です。もういいお年になっておられて、仕事の方もなかなかに厳しいご様子のジョディ。小さいお子さんが2人いますが、ライザはもう大人になっているようです。で、離婚、親権は父親に。

 一人になり絶望するジョディ。ロンドン公演で新しいアシスタントが付く。この女の子がとてもかわいい。調べたらジェシー・バックリーという人。

 詳細は覚えていませんが、お酒なんですかね、ジョディの人生を狂わせているのは。まだ新人時代、オズの魔法使いの頃のジョディも記憶として登場します。まさにアイドル。厳しい食事制限。辛い思いをたくさんしております。

 お酒、客とのやり取りでライブは台無し。仕事を失う。そんな彼女も最後に知人の好演に一曲だけとお願いして最後の熱演を。圧倒的歌唱力。いやはやアチラの女優さんは本当に唄の上手な人が多いんですね。って調べたら、なんとジョディ役の人、レネー・ゼルウィガーだったんですね、あらまビックリ。こちらもずいぶんとお年を召されて、まるで気づきませんでした。

 というわけで、号泣の中、作品を観終わりました。ジョディ、なんと47歳の若さで永眠されてます。最後の最期までとっておいた楽曲「虹の彼方へ」。観客との合唱、もう涙なしには観られません。ジュディ、素敵な作品をありがとう。

「52ヘルツのクジラたち」(町田そのこ)は泣かされちゃうんだよ

 

 本屋大賞受賞作品だったので購入。はじめての作家さん。大分の小さな海辺の街。主人公の三島貴瑚(みしまきこ)、あだ名はキナコ。以前祖母が住んでいた家に住むことに。

 読みながら書くメモが半端なくて、どうまとめようか迷っています。そう、まずこの52ヘルツというのは、クジラの鳴く声の周波数なんですが、通常はもっと低い声で鳴くそうで、この52ヘルツで鳴くクジラは世界で一頭しか確認されておらず、おそらく他の仲間たちにはその音は高過ぎて聞こえてないだろうと。つまり、だれにも届かない声で鳴いているわけです。仲間を求めて.....。

 人は肉体的にも心理的にもあまりに過酷な状況に陥ると、声すら出せなくなります。でも、それでも、その人は声を発しているのです「助けて」と。その声を、ふつうの人には届かないその52ヘルツの声を、聞いてくれる人が身近にいたら、そんな幸せなことはありません。

 そんな52ヘルツの声を発している人が、3人登場します。1人は主人公。その主人公が逃げるように訪れた海辺の街で見つけた、ボロボロの姿の少年がもう1人。最後の人はここには書かない方がいいでしょう。

 詳細は省きます。とにかく、とにかくこの52ヘルツの声を発する人物たちが、あまりに、あまりにも辛い人生を送っているのです。1人1人の過去を少しずつ知るたびに、涙。あんなことやこんなこと、もう勘弁してやってと思いつつ、また涙。号泣。泣くしかない。

 最後の人の悲しさ。もう読んでる手が震えました。そんなに辛い思いをしているのに、なぜたくさんのやさしさを人に与えることができるのか?。本来なら疑問に思えないことすら、疑ってしまうほどの悲しみ。

 というわけで、もうこれ以上は書きません。とにかく、とにかく読んでください。今もコレを書きながら涙が止まりません。ただただ、読んで欲しい、そんな作品です。