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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「光」(三浦しをん)は重すぎた

 

 すいません、どうにもここ二週間ほど体調が悪く、心理的にも絶不調で、そのタイミングでこの作品を読み始めたものだから、さらに具合が悪くなる方向へいざなわれて...。

 そうなんです、お題の通り、重い、んですよこの作品。裏表紙の説明を読むとなにやらミステリーっぽい、感じを受けたのですが、読み進めれば進めるほど鬱っぽい展開になってしまって。

 美浜島。たしか島民数百人の小さな島。それが地球の裏側で起きた大地震による津波で、生存者数名の壊滅的被害を受ける。ちなみにこの作品は2006年から書かれたもので、あの3.11以前のモノ。それなのにこの災害の恐ろしさの描写が、とてつもなく恐ろしくリアルでした。

 この災害が生き残った子供たちに、特に主人公の信之に大きな影を落とし、彼の心を砕いてしまう。まだ中学生だった彼は、同級生の美しい少女である美花と付き合っていた。そして弟のよう?に慕ってくる年下の男の子、(たすく)。この三人の関係が災害後から何年もの年月を重ね、大人になってからも再び人生を狂わせていく。ね、重いでしょ?。

 輔は小さいころから父親のDVを受け、異常なほど信之に依存してしまったという環境があった。しかし信之なんですよ、一番心が壊れているのは。これが読み進めるほどにわかってくる。その狂気があの災害の影響であることは確かなんですが、それだけじゃないよね。執拗に美花を崇め奉るのは、もともとの何か資質的なモノではないでしょうか?。

 こうして狂気の世界が、災害から遠く隔たった時間軸で展開されます。しかも怖いのが、この狂気を日常を維持するために受け入れざるを得ない存在があること。いや~怖い。自分だったらどうするんだろ?って、思っちゃうとこが怖い。

 というわけで、精神的にちょっと苦しい時には、選んではいけない作品でした。といいつつ最後まで読んでしまいましたが。いや、三浦しをんがこんな作品を書くとは、まだまだ勉強不足なわたしです。あのエッセイを読んでから↓

koyan.hatenablog.com

ついつい作者様を身近な存在と感じてしまっていましたが、とんでもありません。反省しきりです。そうそう、末巻の解説を作者に近しい作家さんが書いていて、ご本人にこの作品についていろいろ質問されているのが面白かった。重いけど、読んでみてください、と言いたい。