黒澤映画です。おそらく前に観ていると思うのですが、いつものとおり記憶がすっかり抜け落ちていたので、なつかしさを求めつつ鑑賞。
記憶のない状態では、鬼のような三船敏郎が女を捕まえて、羅生門の上で犯してしまう、みたいなものを勝手に想像してましたが、かなり違って笑えましたよ、自分。
百姓(志村喬)と坊主(千秋実)が「もう人を信じられん!」みたいなことを呟くように、羅生門の下で雨宿りしている。なんか魂が抜けちゃったような感じで、よほどひどいことを目にしてしまったのだろうと思うでしょ?。そこにやってきた半分泥棒みたいなやつがその理由を聞き、それに答えるように物語は進みます。
ここで京マチ子が登場です。馬に乗って市女笠をかぶり、旦那は馬を引いて旅でもしているのでしょうか?。そこになんとかっていう大泥棒らしい三船敏郎。昼寝しつつなので、木の陰で二人を見過ごすみたいな感じだったのですが、そこに一陣の風が。レース(とは言わないか)が風にあおられて京マチ子の顔が一瞬晒されます。これがまた、なんともエロっぽい。プクッとした顔は時代的に美人の要素だったのでしょうけれど、目は紐みたいではなく、しっかりと大きい。そして白い。やわらかそうに、白い。これは三船も堪らんとばかり襲ってしまったわけ。
当然のように事件が起こるわけですが、場面は検非違使の前で証言する人々。あの百姓と坊主は目撃者として連れてこられた模様。ゲラゲラ不敵な笑いを浮かべながら証言する三船。号泣しながら悲しみを訴えかける京マチ子。旦那は予想通り殺されたみたいで、潮来みたいのが降霊して証言します。時代が時代だからね。
で、なんかみんなの証言が一致しない。真実は如何に?ってのが、百姓と坊主が人間不信に陥った原因らしい。でもね、そこんとこ、あまりピンときませんでした。わたしの理解力が劣るのはもちろんですが、音声が昔の作品ゆえか、どうにも聞き取りにくくて、それが理解を妨げてしまったという言い訳をさせてください。
というわけで、実際にチャンバラになったら、あんな感じなんだろうな。ってのと、京マチ子のエロさが輝いていた作品でした。