まずはじめにお断りしておきますが、この本の冒頭にも書かれているとおり、決してナチスを肯定、擁護しようとしているわけではないことを了承の上、よろしければ読んでください。
ロケットにPA(スピーカーシステムね)等々、それもナチスの発明だったのかとその数の多さに驚くこともあるのですが、わたしが一番驚いたのは、ナチスの政策でした。
記憶に残っているのがアウトバーン。財政立て直しの柱として始めた公共事業?ですが、その予算の46%がなんと労働者の賃金として支払われたそうです。わかります、この驚き。日本の一例をあげてましたが、日本の場合多くてもその値は10%だそうです。それじゃその差額はどこへ?、そう、企業が利益として持って行ってしまうのでした。
他の法令でも、企業の株の配当金は6%までと制限してまして、それ以上の余剰金を企業が得た場合、指定された銀行に強制的に預けさせたと。そのお金は国が使うのです。
そう、企業や資本家の搾取をなるべくやめさせて、所得の格差をなくそうとしていたのですね。一党独裁だからことできた強硬な政策ですが、現在の資本主義での所得の格差を考えれば、少しでもいいから見習うべきだと思うのは、貧乏なわたしだけでしょうか?。
というわけで、決して許されない行いをうやむやにする気はありません。ただ、だからといって一切を見ることもなく評価すべきではないはず。そんなことを考えさせてくれた本でした。読みやすく、厚さの割には短時間で読めるので、オススメしておきます。