はい、恩田陸です。なにやら帯を見ると、本屋大賞と直木賞をW受賞したさくひんだそうな。「続きが気になりすぎて、電車を乗り過ごしました」なんて読者のコメントが書かれております。すごく、期待しちゃうじゃないですか?。
二人のカップルが別れの最後の夜を、夜通しで語り合うというおハナシ。相手が殺人犯ではないか?とお互いに疑っているようで、その事件も気になりますし、なんでわざわざ徹夜までして語り合うのか?。謎は多い。
でですよ、どうやら別れたくて別れるわけではない、みたい。その理由は書きませんが、とても背徳感の高い、怪しい雰囲気にムラムラとしてしまうわたし。この根本的な命題は最後まで続くのですが、思わぬ終わり方を見せます。そこがすごく納得なんですよ。片思いばかりしているわたし的には。
肝心の事件ですが、それほど興味を惹かれなかったってのが正直な感想。どちらかが犯人か?、と疑うにはあまりにも動機が見えない。犯人捜しよりも理由探し、といった方がぴったり来ます。
一つ気になったのが、草で輪を作って罠を作っていたと思っていたのに、すんなりそこを棚に上げて納得してしまう流れがあります。そりゃおかしいでしょ?、絶対に。一番究明しなければいけないポイントなのに。
というわけで、この作品、恩田陸にしてはとても読みやすいというか、わかりやすいので、とてもオススメしたいのです。だから、もう、書けない。読んでくださいよ、とても面白いですから。