三國連太郎です。妻を失って一年。一周忌に岩手の田舎で法事。都会に住む息子二人。長男は成績優秀で大企業に就職し、結婚して都会にマンションを買ったばかり。次男は定職にもつかず、職を転々と。
老いた父親を心配する長男。てか、長男として父親をひとり田舎に放ってはおけない、というメンツの方が気になるか?。自分のマンションに一緒に住めと父親に言う。
難しいよね、このどこにでも起こる同居問題。嫁さんも同意してくれるんだけど、本意ではないんだよ。子供も二人いるし、マンションは決して広くない。父親が使えるのは玄関わきの狭い部屋。困ったもんだ。
で、実際に父親に遊びに来てもらったんだけど、どう見ても居心地がよろしくない。マンションもしかり、都会のコンクリートジャングルしかり。長男はしびれを切らして言う、「俺たちも我慢するんだから、親父も我慢してくれ!」と。我慢ってなに?。しなきゃいけないもん?。
そう、父親は自分の家に住むのが一番の幸せ。たとえ孤独死してもだ。だから、お互いが我慢するような同居って、なんの意味があるのだろう?。幸せって、なんなんだろう?。
次男は久々に恋をした。仕事の客先の事務の女の子(和久井映見)。この子って、特別美人じゃないけれど、近所にいる奇麗なおねいさん役がぴったし。でも彼女...。
父親は都会に来たついでに次男のアパートに。そこで彼女を紹介され、次男の覚悟を確認して大いに喜ぶ(確認すら無粋だった)。そりゃもう、今まで冷たくしていた次男だけれども、このときばかりはの勢いで、大喜び。そう、幸せの形が見えたのだから。
というわけで、幸せって何なんだろ?と考えさせてくれた作品でした。お金なんかぜんぜんないけれど、自分はとても幸せなんだと。そして周りの人のおかげでしあわせなんだと、泣きながら納得した自分でした。おススメです、観てください。