
- 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,高橋義孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/07/28
- メディア: 文庫
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何に変身したのか?
一番の問題はココです。わたしの曖昧な記憶によると、芋虫説が世間では一般的なのかなと。しかしわたしはこの説に納得できなかった。なんせ冒頭の表現で「毒虫」って書いてますからね。毛虫ならともかく、芋虫のことを毒虫って言いませんて。
百足?
ひどく違った動きをするたくさんの小さな脚、甲殻のように固い背中、何本もの弓形のすじにわかれてこんもりと盛り上がっている自分の茶色の腹、これら表現を見ると、先ほどの毒虫と相まって、わたしには百足にしか思えなかった。それが最初に読んだときの印象。
しかしその印象も、読み続けるに従って曖昧になってしまう。その気持ちの悪い中途半端さを払拭するために、今回、再び読んだ次第。
また同じ結果に
もう結論を書いてしまいましたが、今回改めて読み終えた結果も、初回のときと同じように曖昧なものとなりました。
最初の印象は明らかに百足。しかしその動き方、投げつけられたリンゴが刺さってしまうほどの柔らかさ、などからは芋虫しか思いつかない。しかし芋虫に、情けないくらいかぼそいたくさんの足、はないのである。あ〜、なんたる矛盾。
答えはない?
恐らくカフカ自身が、あまりこの手の虫に詳しくなく、適当に書いたんじゃなかろうか?、ってのが今のわたしの答えです。
いや、如何にも専門家っぽく、変身後の体の描写を楽しんでいるのが、この小説のお気に入りの点なのに、なんとも情けない解答です。
どなたか、ズバッとスッキリと、確たる解答を教えてくれませんか?。この男は何に変身したのかを。