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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「月は無慈悲な夜の女王」(ロバート・A・ハインライン)はとても読みづらいのであった

 

 う~ん、このブックカバーじゃないんだよね。

www.suruga-ya.jp

 コチラ↑です。この絵なんですけど、最初気づかなかったんですが、よ~く見ると月から岩石が降ってきてますよね。コレです、コレ。コレが月世界人の地球に対する攻撃手段なんです。

 さて、例の岡田斗司夫が「日本からGAFAのような会社が生まれないのは、海外の作家が書いたSF小説を読まないからだ!」、という言葉に乗せられて購入した2冊のうちの第2弾です。第1弾はコチラ↓

koyan.hatenablog.com

 「タイタンの妖女」の感想を読んでもらうとわかるように、非常に読むのが辛い、苦痛であるとまで書いております。同じ言葉をこの「月は無慈悲な夜の女王」にも送りましょうw。読み終えた直後に書いた感想のメモ書きをそのまま載せます。

 「読むのが大変な作品。やはり英語と日本語では根本的な違いがあり、微妙なニュアンスやリズム、心地よさなどが訳とはいえ感じられないのは、どうしようもない壁だと思う。

 登場人物や大筋の流れに魅力は感じるが、とにかく読むのがツラい箇所が多かった(すべてではない)。おそらく、海外のSFを読むのはこれで最後のような気がする。もっと落ち着いて読めるようになったら、再挑戦するかも?。

 ちなみに原題「THE MOON IS A HARSH MISTRESS」は「月はきびしい女教師」の意。教授(登場人物)の地球での演説の中の言葉だ。

 となっております。やはりわたしにはGAFAのような会社は作れそうもありません。

 閑話休題。ストーリーを一言で書くと、月が地球から独立を勝ち取るための革命のおハナシ。そもそも月は地球で犯罪を犯した人の流刑地です。もうかなりの年代を経ているため、その流刑人の子孫たちも生活しておりますし、流刑されるときに家族なども一緒に、なんていうこともあり、そこに住み人々は必ずしも犯罪者ではありません。

 そこで仕事をしていたコンピューター技師の男が、月世界のほぼすべての仕事をまかされているシステムに、人間のような感情が生まれていることを知ります。これがきっかけで月世界は地球に宣戦を布告するまでに至ります。

 面白そうですよね、こう書くと。でも前述の通りその文章がヤバい。おそらくわたしが英語辞書を片手に有り余る時間を浪費しながら原作本を読んだとします。わからんですよ、いちいち文章の意味が。それがプロの翻訳家によってより上手に訳されていたところで、もとの文章のアレがアレですから(わかるかな~、この感覚)、どう訳そうとわからんところはとことんわからんのです。ちょっとその例みたいのをわざわざメモ書きしてあったので、書いてみますね↓

 「おれが少しきれいにしたのは、男性が多すぎる社会で、家族生活ではない哀れなその代用品といったようなことを言わないでおいたことだけだ。

 このメモのにはこう書き足されております、「この意味わかる人は天才だと思う」と。もうね、メモに残したくなるくらいワケワカメな文章が次々に出てくるんですよ。これが訳の問題ではなく、そもそもの文章の言語世界が違うことが、決定的な理解しにくさを生んでいると、わたしは言いたいのです!(演説になってもうた)。

 というわけで、もしもですよ、ハインラインが日本語を母国語のように使いこなせる人であって、敢えてこの小説を日本語で書いたならば、それは英語版の訳本とはかなり違った文章になったであろう、とわたしは思うのですよ。さようなら、ハインライン。次に会える機会は、ほぼないかもしれません。

「ツレがうつになりまして」の宮崎あおいがかわいい

 

 お題の通り宮崎あおい狙いで予約録画しました。もちろん堺雅人も影響ある気がします。それと鬱という病気も知っておいた方がいいと。

 この二人は夫婦なんですが、奥さんの宮崎あおいは夫の堺雅人のことを「ツレ」と呼びます。けっこうな違和感があるんですが、人さまに夫のことを言う時はそんなに不自然ではないのですが、直接本人に「ツレ!」と呼びかけるのはさすがに変わっています。

 夫は几帳面を絵にかいたような性格。奥さんは漫画家でして、どちらかというと自由奔放な感じ。とはいえ決して売れている漫画家ではないので、それなりにストレスはありそう。夫は仕事場でやたらとストレス抱えております。奥さんからもストレス受けそうですが、根本的に奥さんのこと大好きみたいなので、そちらは大丈夫そう。

 で、パッケージの絵の通り、お団子頭のあおいちゃんです。いや、もう、かわいい以外の言葉が出てこない。思いましたね、日本の女性って、つるつるお肌とか、サラサラヘアーとか、けっきょくのところ少女の頃のコンディションでありたいと願っているのでしょうか?と。だってもう完全に子供の領域ですよ、あおいちゃんのかわいさって。

 ストーリー的なハナシもしましょうか?。鬱です、うつ。心の風邪なんて作品内でも言っておりますが、そんな簡単な病ではありません。てか、罹患する具合が風邪くらい簡単だと言いたのかな?。

 とにかくたちが悪いです、うつ。直るのにおそらく何年もかかるし、再発もあるし、治りかけが一番危ないって。現に登場人物の男性が自殺で亡くなってしまいました。怖いです、とても。

 でもこの二人、うつ病になった夫もそうだし、常にそばに居る奥さんも、そう。二人が一所懸命に生きて、いろいろと勉強して、いろいろと考えて成長していく様は涙なしでは観ることができません。絶対に他の人といっしょには観られませんよ。特に配偶者とは(いろんな意味で)。

 というわけで、しっかり泣かせてもらえたし、しっかりかわいさを見せてもらうことができました。おススメです、観てください。

「ひとごろし」は松田優作のコメディ時代劇

 

 もちろん松田優作主演ということで予約録画。そしたらずいぶんとお若い優作が出てきましたよ。調べて観たら1976年の作品でした。しかも役どころが藩内図一の臆病者という変わったキャラ。その評判のせいで、お年頃の妹である五十嵐淳子に嫁の貰い手がないくらい。

 よくある設定として、臆病者に見えて実は剣の達人であった、なんていう隠しネタはまるでなし。ここで登場するのが相手役の丹波哲郎。いや~実に渋くて格好良くて強そうなおっさんである。その剣の腕前を見込まれて外部から取り立てられるとともに異例の出世。当然、内部の同僚からは嫌われる。

 それがなんと殺してしまおうというところまできて、とうとう何人かが丹波哲郎の刀の錆に。けんかを吹っ掛けられた丹波はまるで悪くないと思うのですが、なぜか藩を出て旅に出る丹波。それを追って仇をとる役目を買って出たのが、さきほどの臆病者の松田優作。

 もちろん、面と向かって戦えば勝てる見込みはゼロ。そこで松田は心理作戦に。もうそれが姑息なやり方で、お茶屋とか、旅籠とかで丹波が休息を取ろうとすると、「この人はひとごろしですよ、近くに居ると斬られてしまいますよ~」と叫びまくる。大騒ぎになった丹波はその場から追い出されてしまう結果に。

 この時点でコメディとも言えなくもないですが、現実的な対応として悪くはない。でもさ、この後の道中の描写がいけません。丹波の歩くわずか20mくらい後を、ひょこひょこと松田がついて歩いている。怒った丹波が振り返ると、さっさと逃げる松田。

 あのさ、これ、丹波が本気で追っかければ、松田は一貫の終わりですよ。特に脚が速いという設定でもなく、しかも怪我をして脚を引きずっているときも、コレですから。これでコメディ作品決定です。絵的にそういうのを入れたかったのはわかりますが、もちっとリアルな感覚を保っていれば、作品の深みも増したと思うのに残念です。

 そうそう、途中で宿屋の若女将が松田に随行。この人がなかなかにイイ。先の五十嵐淳子もめちゃ可愛かったけれど、五十嵐にはない色気と言うかエロさが、体全体から滲んでいます。おっと、そういうシーンがあったわけではありませんよ。そう感じさせるものがあると。彼女の名は高橋洋子。もちろん知ってます。当時はそれほど好きではなかったですが、年取ってから見ると、違う魅力が見えてくるものなんですね。

 そしてオーラス。ここもそれなりにちゃんと仕上げているんですよ。だからこそ、あの道中の追っかけ描写が残念なんです。

 というわけで、何度も書いてアレなんですが、残念なところがあるっちゃ~あるんでうすが、名前を上げた若い俳優さんたちを見るだけでも価値がありますし、全体としては良好なつくりの作品と思います。時代劇がお好きな方におススメしておきます。

「千年女優」の構成力は凄い

 

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 前におそらく観ているだろうけれど、例によってほぼ記憶はなかったので、そのまま鑑賞。山奥に引っ込んでしまった年老いた女優のインタビュー、それがこの映画のかたち。鍵の男、彼女は彼をずっと追いかけている。

 現実と女優としてのお仕事が、ごっちゃごちゃというか、出演した作品を通して鍵の男を追いかけるようすを描いている、と言った方がいいんでしょうか?。最初、混乱しましたが、そうだとわかればそれがこの作品の味になります。お題の千年という意味も、作品の時代の幅、と考えれば合点がいきます。

 正直、最初のうちはあまり面白くなかったんですよ。でもね、そこまで強く追いかける彼女の姿と、これほどまでに思われる男って幸せだよな~、なんていう気持ちからどんどん吸い込まれるように...。

 そうすると先に書いたごちゃごちゃと感じていた構成が、これはすごいもんじゃなかろうかと気づかされるわけです。それが今回のお題。

 ラストは例によって号泣です。オーラスの最後の彼女のセリフ。このセリフのおかげで彼女は不幸ではなかったんだと、納得することができました。

 おまけにもうひとつ。そうそう、前回トグサの声の話をしましたが、今回も山ちゃんが鍵の男の声でした。それはさておき、エンディングの曲です。流れ始めて、あれ?って。これって平沢進?????

 わたし別にコアな平沢進のファンではないんですが、YouTubeで出会って何曲か聴いてまして、特にこの曲が好きでした↓

youtu.be

 彼の独特のメロディとういか雰囲気が心地よい。それだけの記憶から、この作品のエンディングを聴いただけで、そう感じ、実際にテロップで確認できた時は、けっこううれしかったですよ。

 というわけで、今回もしっかりと楽しまさせてもらいました。しっかり泣けるいい作品です。観てください、オススメです。

「シン・ウルトラマン」はゴジラよりもワクワクか?

 

 Amazonプライム、やってくれましたね。いつの間にかこの作品が公開されておりました。まだ円盤も出ていない?のに???。

 怪獣、って劇中では漢字が違うのですが、が暴れるシーンが冒頭で続きます。もう、そこがイイ!。ちゃんと着ぐる?みなんだけれど、セットがより緻密になっていて、なつかしの怪獣(以下略)が大活躍。

 そして現れる謎の巨人。スペシューム光線?一発で退治。すげぇ~、って感じです。このワクワク感、あの「シン・ゴジラ」ではまるで感じなかったものですよ。とても大好き。

 ストーリーが進んでしまうと、残念ながらワクワク度は自然に減少。ま、そういうものです、おハナシって。そうそう、元ももクロのあの娘も、登場したてのはっちゃけぶりはとてもワクワクしたのですが、段々とキャラが埋もれて行ってしまう。残念。

 長澤まさみくらいですかね、登場シーンからずっとテンション維持していたのは。そもそも最初があまり高くなかったって説もありますが。しかし、巨大長澤にしても、絶対にエッチ方向へはもっていかなかったんですよ。なんと健全な作品でしょう?、子供が喜んでみる作品って気もあまりしませんけれど。

 ウルトラマンの声が高橋一生だったのはぜんぜん気づきませんでした。てか、斎藤工じゃないんだ?。それよりもゾフィー、じゃなくてゾーフィ。どっかで聞いたことある声だなと思って、やっと絞り出したのがトグサの声。そう山寺宏一です。声優に詳しいわけじゃないんですが、わたしにとって山ちゃんの声ってトグサなんだなと改めて認識した次第。

 最終兵器ってんですか?。アレがアレだとは。たしか原作では最終話あたりに出てくるキャラですよね、彼。世代ではあるんですが、さすがに詳細な記憶はなくしております。

 というわけで、出だしがとてもワクワクさせてくれたのが、一番の有難みでした。シンエヴァといい、庵野さんの太っ腹(ビジネスとして成立しているんでしょうけど)に感謝です。観てください、特に還暦世代。おススメです。

「ヒトラー ~最期の12日間~」はドキュメンタリー

 

 もちろん詳細に詳しい、んん?、表現がおかしい?、わけではないのですが、以前読んだこの本↓の微かな記憶をたどるに、この作品はとても正直にヒトラーの最期を描いていると思えます。

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 疑心暗鬼。かつての盟友でもあった側近たちを信じられなくなる。戦争の正しい状況を把握できない。怒りを抑えきれずすぐに暴言を吐く等々の描写。とても重みがあります。

 それとシュペーアに作らせた未来のドイツの街並みの模型。この実現をどれほどヒトラーが熱望していたか。その見事な模型もちゃんと描かれております。

 ユダヤ人排除に関しては、ヒトラー自身に思想はあっても、それほど深く関与していないという印象でしたが、今作ではそれがメインテーマであったかのように、本人の口から何度も語らせております。それが事実なのか?、はたまた混乱のせいなのかはわかりません。

 愛犬のブロンディ(トイレで飼われていた)の毒殺のシーン。わずかな時間のシーンですが、その後のヒトラーの魂の抜けた表情がとても印象に残りました。

 というわけで、とてもセンシティブな題材ですが、とてもよく作られた作品だと思います。観る価値は十二分にあるとしてオススメしておきます。

「デス・ウィッシュ」はマンダムを超えたか?

 

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  • ブルース・ウィリス
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 お題はそう書きたかったから、って理由だけで本内容とは関係がありませんw。ってわからない人もいるでしょうから説明。この映画、昔チャールズ・ブロンソンって人が主演で作られた「狼よさらば」という作品のリメイクです。で、なんでマンダムなのかというと、チャールズ・ブロンソンが日本のCMに出演していて、その製品が男性化粧品マンダムってやつで、CM中それを顎に塗りながら「う~ん、マンダム」って言うんですよ。お~、動画がありました。

youtu.be

 姉貴の部屋にもこれのデカいポスターが貼ってあったなぁ~(遠い目)。てな具合に昔男臭さで有名だった俳優さんだったんです、チャールズ・ブロンソンって。その代表作が「狼よさらば」。他にもいろいろ出演していたんですが、そうですね~「荒野の七人」は確実。とにかくアクション俳優というイメージです。

 何年か前に観なおした記憶があるんですよ、「狼よさらば」。でもメモが残っていない。がしかし、こんなところで引用されていました。

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 ジョディ・フォスター主演の作品で、彼女の役どころをまさにカージー(「狼よさらば」主演者の役名)と評しております。

 閑話休題。最近前置きだけが長い。いつものように「狼よさらば」の記憶は曖昧模糊。カージーの名前だけは憶えてましたが、外科医でしたっけ?てな感じです。家族が殺され、その復讐のために銃を持って夜の街を徘徊する。そんな記憶だけ。でも、このブルース・ウィイリス版よりもっとじめじめとした記憶が。もっと危なかっしくて、暗い印象が残っています。

 そう、ブルース・ウィリスってなんか強そうなんですよ。チャールズ・ブロンソンも強い役どころをずっと演じて来ましたが、正直なんでこのひげオジサンがこんなに強いんだろう?、という感想を多くの人に抱かせていたんじゃなかろうかと。だからこの作品が妙に相性良かったんじゃなかろうかと推察します。

 それに引き換えブルースは悪党に負ける気がしません。正直彼もそれほどの大男ってわけでもないですが、なんでしょ?、あの石のような頭ってんですか?、アレがやけに強そうに見えるw。まあこれまでに作られた彼のイメージがより強固だったということでしょう。

 というわけで、それなりに楽しめる作品ではありますが、あくまでもそれなりって感想です。オリジナルの詳細を覚えていないので、それ以下ですよとも書けませんが、おそらく、きっと、そうなのかも知れません。と書いてしまった罰として、オリジナルも近日中に鑑賞する機会をつくることを誓います。もし感想が違っていたら追記しますね。

「風が強く吹いている」(三浦しをん)は駅伝が嫌いな人でも読めます

 

 三浦しをんです。以前、この作品↓で文章がとても気に入ってしまいました。

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 も一度この人の作品を読みたいと思っていたところで、例によって本屋大賞でこの作者の作品を見つけ、購入しておいたものです。

 で、表紙。少し気になる。冒頭を読み始める。風呂屋帰りの学生。コンビニでなにやら犯罪を犯したらしき若者が、彼のわきを走り抜けてゆく。彼はその姿を見て「なんて美しいフォームなんだろう」と。自転車を借りて追いかける彼。後ろから見ていてもほれぼれするような走り姿。ってこの印象的なストーリーのはじまり、なんか記憶にあるんですよ、びっくり。

 その先を読み進めるとともに、しだいに明らかになってきたわたしの記憶。そうだ、駅伝だ。ボロ学生寮の素人を集めて箱根駅伝を目指すヤツじゃん!。このときわたしは記憶を改ざんしておりました。そうだ、コレ、アニメで観ようと思って何回か観て、駅伝だからやっぱやめようって観るのやめたヤツだ、と。

 そうなんです、わたし、駅伝が好きじゃありません。特に強り理由があってそうなったわけでもないのですが、あの、自分がやらなければみんなに迷惑がかかる系の最たるスポーツ、の代表格としての駅伝が好きではないのです。

 だからその記憶を取り戻したとき、この本もここで読むのをやめようと思ったんです。駅伝だからゆえに。だけれど、ぐずぐずと読み進めるうちに、わたしの過去の記憶が間違っていることにようやく気付きました。

 そうです、TVアニメで観たこの作品。ちゃんと最後まで観たんですよ。嫌いなはずの駅伝を、何故?。きっと面白かったんだと思います。例によって詳細な記憶は曖昧なままだし、ラストシーンなどもまるで思い出すことはできませんが、面白いと感じたから観たんですよね、嫌いなくせに。

 閑話休題。すいません、前置きが長過ぎて。そんな流れでこの本も最後まで読むことができました。てか、とても感動しました。面白いです。特に登場するキャラクターたちの魅力。箱根駅伝は10人で走るのですが、その10人の学生寮の住人達がとてもいい。その証拠に彼らを思い出せるんですよ、全員。

 書いてみましょうか、メモなしに。走、ハイジ、ニコちゃん、ユキ、双子、キング、マサ、王子、神童。ほらね、これで10人。愛すべきキャラたちです。

 陸上の名選手だった走(かける)がとある大学に来たことで、メンバー10人揃うことを待ち望んでいた陸上部のハイジが、学生寮のみんなを説き伏せ、箱根駅伝を目指すというストーリー。ちなみに走の入学がきっかけですから、季節は春。本番はご存じのように新春。そしてその選考会がその前なんで、なんと半年しか余裕がないのに、ほぼど素人のみんなで頑張るという、ハチャメチャな設定。ファンタジーと言われてもしかたありません。

 経験者は走、ハイジと陸上を前にやめて現在はニコチン中毒のニコちゃんだけ。ユキは大学現役で司法試験に受かった天才ですが、剣道をやってました。もともと運動神経の良い双子。忘れたけど山道が得意な神童。あとはほぼ運動すらど素人のメンバーです。特に王子は並外れたウンチ(運動音痴&体力なし)。

 でもね、読んでいると引っ張られちゃうんですよ、その夢の扉の方向へ。今回特別に文章がどうとか思わなかった三浦しをんですが、全体的に上手いんでしょうね~、読者を惹きつける力は相当なものだと思います。

 厚めの文庫本でしたが、まだ半分弱残すところで、本番が始まります。え?、こんなに残してもう入っちゃうの?。と正直不安に思いましたが、いやいや、そんなボリュームなどどこ吹く風w、後半も濃密にしっかり楽しめました。

 というわけで、スポーツ好きじゃない人でも、駅伝はどうも苦手って人でも、読めますよ、感動しますよ、泣けますよ。読んでいる間とてもしあわせな気分にさせてくれる、とても素敵な作品です。ぜひ、読んでください。おススメです。そうそう、ヒロインの八百屋の娘、あの子もいいですよ。

「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」泣けるし京アニの女の子はみんなかわいい

 

 ユーフォです。京アニです。アニメは毎週観ておりました。以前、この作品も↓

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 相変わらず泣いています、はい。そして今作。主人公の久美子は2年生になり、新入生の担当をします。これがまた、なかなかに面倒くさい。人間関係って年齢に関係なく、場所に関係なく、いつでもどこでもいろいろあるもんですね~。

 同じユーフォの担当になった黒髪の新入生。この子のキャラが相当にヤバい。男だったら絶対にありえない存在ですよ、あのコミュ力というか対人関係の持ち方。化け物クラスです。久美子も最後まで振り回されっぱなし。

 あと、チューバだっけ?、凸凹コンビ。特に背の高い方の子、あまりに不器用な自己表現力。てか、他の子が上手過ぎるんだけで、男だったら普通クラスじゃなかろうか?。

 新入生を迎えて年一の大会に向けて頑張るわけですよ、メインストーリーは。その演奏曲に前回観た「リズと青い鳥」が選ばれておりました。ふむふむ。そうそう、久美子と麗奈のコンビも、相変わらずいい感じでとても好きです。

 でですね、今回改めて思ったのは、出てくる女の子み~んな可愛いんですよ。さすが京アニってんでしょうか?、顔や性格はもちろん、体格も妙にモデル体型じゃないリアルな感じが好感度高し。ホント、目の保養。

 というわけで、わたしも部活内の人間関係に翻弄されて、何度も涙を流しました。そうそう、わたし一番推しの前副部長の眼鏡ちゃんも、ちゃんと見れたのが良かった。当然、久美子部長の続編も決定されているようです。楽しみ楽しみ。おススメです。

「プラトーン」は何を語るのか?

 

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  • トム・ベレンジャー
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 なにやらエラそうなお題で申し訳ありません。たいした内容ではないので、期待される方が居たら読まないことをお勧めします

 たまに戦争映画を観たくなります。今作が描くのはベトナム戦争。主演は若きチャーリー・シーン

 戦争は悲惨です。とわかっているように書きますが、当然のように実体験でわかっているわけではありません。過去の戦争映画、ドキュメンタリー、ニュース等でそう感じているわけです。

 その悲惨さを描いているじゃないですか、戦争映画って。そのやりようは個々の作品によって違うのだろうけれども、結局は悲惨さを描くってことで納得していいんでしょうか?。もっと他に、何かを語りたいんじゃなかろうかと。だっていくつもの戦争映画があるのに、また違う人が作るわけでしょ?。何か違うことを語りたい?、と受け取るのは自然なことではないでしょうか?。

 で、今作。ベトナム戦争です。政治的な背景はほぼ描かれておりません。てか、勉強不足のわたしですから、正直、この戦争の詳細までは把握しておりません。つまりそこを語りたいわけじゃなさそうです。

 圧倒的火器を持つ米国軍と、戦うベトナムの兵士。密林は彼らを有利にします。村があります。普通の村人が住んでますが、彼らの中に兵士、いわゆるベトコンが紛れているかもしれません。極限状態にある兵士たち。命のやり取り。そこではさらに悲惨な行為が繰り返されてしまいます。

 それをあるまじき行為として訴えたのがウィリアム・デフォー。あくまでも仲間の安全のためと目を覆いたくなるような行為に走るのが、トム・べレンジャー。対比。それなんでしょうか?、この作品が語りたいのは。それにしては、う~みゅ、表面的すぎる?。否、そんなこと簡単には言えないですよね。

 という具合に、戦争映画を観ると考え込んでしまうんですよ。そう書きたかったが故の、お題です。すいません、しょうもなくて。

 というわけで、自分の拙い気持ちだけ吐き出させてもらいました。みなさんにおススメできるかどうかは、自分でもわかりません。

「ザ・マジックアワー」の佐藤浩市は笑える

 

 なぜこの作品を予約録画したかは、記憶なし。そもそも三谷幸喜はあまり得意じゃない。てか、舞台が好きじゃないんですよ、あの大げさな演技が。某トリックとかはテレビで観てましたが、どんどん飽きてくるというかなんというか。

 でも、今の大河ドラマは面白いので観ています。そういえば、昔やった新選組もお気に入りだった気が。そうそう、あのときも佐藤浩市が活躍しておりました。

 で、お題ですが、ギャングのボスの女、深津絵里と寝てしまった男、妻夫木聡がですね、幻の殺し屋と言われている、デラ富樫を紹介すると命欲しさに適当なことを言う。しかたなしに、売れない俳優、佐藤浩市をやとってデラ富樫の役を演じさせるというストーリー。

 思い出すのがわたしの大好きな映画、「歌え!ジャニス★ジョプリンのように」です。

 こちらは相手をだますとわかっていて、ジャニスとジョン・レノンの役を演じさせるってコメディ作品ですが、もうこれが腹がよじれるほど面白い!。感想がありました。

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 で、本作では雇われた佐藤浩市はあくまでも役者としてやっているのですが、まわりはみんな本物と思っているところが違う?、いや、同じか。そうそう、騙そうとしていないところが、違う。そうだ、そうだ。

 閑話休題。なんたって佐藤浩市の演技がですよ、めっちゃ面白いんです。演じてる、すごく大げさに人殺しを。いつもならこの臭さがダメなんですが、今回はそれがイイ!。臭ければ臭いほど笑えます。まあ、現実にはあり得ない設定ですが(すぐバレて殺される)、そこはそこ、コメディ映画ですから。

 深津絵里もいい具合にエロいし、西田敏行はまあそのまんまかな?。他にも三谷ファミリーみたいな役者さんがいっぱい出ていて、雰囲気だけは贅沢です。贅沢と言えばなんといってもそのセット。いい感じのヨーロッパ調の建物で、街の一角をそのままセットで組んでるんです。これは必見と言ってもいいかも。

 映画の最後にその過程が紹介されています。前にクリント・イーストウッドが西部劇の町をそのまままるごと作ってましたが、それとは質が違います。アチラは良くも悪くもアメリカンっぽいけど、日本人はきっちり作りますね~。ホントにすごいセットです。コレも感想ありました。

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 というわけで、三谷幸喜苦手派としては、珍しく楽しい作品を観ることができました。おススメです、観てください。

「3人のゴースト」のメモだけ

 

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  • ビル・マーレー
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 あれですよ、クリスマスキャロルってんですか?、スクルージって言うんですか?。ディケンズの本が原作。過去・現在・未来のゴーストが金持ちだけど心貧しい男を振り回して改心させるやつ。

 なんでわざわざ観たかというと、ビル・マーレイだから。ずっと昔は嫌いだったんだけど、日本を舞台にした映画、題名忘れちゃったんですが、それ観て好きになったんで、今回も予約録画したわけです。

 で、すいません、また好きじゃなくなったかもしれません。嫌いって程じゃないですけれど。まあどうにもこうにも悪の強い俳優さんですね、あの若いころのロングヘアーの似合わなさといったら、そりゃもう!。好みのわかれる典型的な人かもしれません。

 というわけで、内容的にどうということもなく、そうそう、現在のゴーストのぶりっ子おばちゃんの暴力振りがなんか面白かったですよ。という感想だけです。もちろん、最後は涙が出ちゃいましたが。メモとして。

「死神の精度」(伊坂幸太郎)は苦手な短編集だけど...

 

 表題の通り、わたしは短編集が苦手。それは終わるのが速すぎるから。もっと読んでいたい、もっと書いていて欲しい、みたいな欲求が抑えきれない感じです。でもこれって?、と前から疑問を抱いているんですが、もちろんわたし側の問題だと自負しております。その証拠と言っては変ですが、今回の作品は本屋大賞を載せたサイトから選んだもの(いつものとおり)。つまりみなさんの評価は高いわけです。それを短いから楽しめない、ってのはやはりおかしいかと。

 なんですかね、短編集には短編集の何かがあると思うのですよ。たとえば、その文章の少なさに込められた鋭さ、みたいなものが。字数制限のある中で(そんな制限があるのかどうか知りませんが)、ひとつの完結した物語を書く。それはそれで難しそうな課題です。

 閑話休題。さて本作ですが、6章構成となっており、主人公は一貫して死神千葉と名乗る男。彼が仕事の対象を変えて6つのハナシを語っているようなそんな作品となっております。

 正直に書きますが、最初の3章は相変わらずの短編集嫌いが強く出たのか?、面白いとも思えず渋々読んでいた感じでありました。で、4章めの「恋愛で死神」。向かいのマンションの女性を好きになった男。彼は実はかなりのイケメンなのですが、それゆえの女性の反応に疑問を抱き、わざと不細工な伊達メガネをつけております。もちろん対象の女性は地味目の雰囲気。このおハナシがやっとこさ面白く読めまして、そういう感じの恋愛だからかな?と、その要因を考えたりしておりました。

 次の5章。母親を傷つけ、渋谷で若者を刺殺してしまった男と千葉の、北への旅を描いたロードムービータイプの内容。まあクソみたいな男(犯人)なんですが、その挙動というか、千葉との会話等からなんていうんでしょうね~、人間性のどこかしかに惹かれるような面が出てくるんですよ。これも面白いと思う。

 最後の6章。年老いた女性が営む美容院。千葉の対象は彼女なんですが、このキャラがまた魅力的。彼女が千葉に与えた課題の謎解きも良かったし、ここでは書きませんが、小さなものと大きなものの驚きが2つ隠されておりました。正直、ズルいとも思ったのですが、ここまで読んだご褒美だと思い、素直に味合わさせてもらいました。面白い。

 というわけで、後半にきてわたしの短編集嫌いが、徐々に修正されてきたような気がした作品となりました。面白いと思った後半の3章は、すべてその登場人物に惹かれたためであります。もっと他の短編集も読み込んだ方が良いのでしょうか?。努力してみます。

 そうそう、この作品、映画になっておりました。

 金城武、うんうん、主役の死神である千葉にピッタリのキャストって気がしますw。1章と4章と6章はかならず入っているでしょう、と推理しておきます。どこかで出会わないかな、探して観てみたい。

「天地明察」の原作本と映画の感想

 

 原作本です。調べてみると2010年の本屋大賞を取っています。わたしが本を選ぶ時の基準はこの本屋大賞。な~んですが、実はこの作品、先に映画を録画していたのですね。

 主演は岡田准一。あれ?、なんか記憶に微かに残っているような。ともあれこういった場合、原作本から読んであとで映画をどう作ったか楽しむのがわたしのやり方。というわけで、調べてみて原作本を発注したわけです。

 読み始めて神社の絵馬の設問シーン。おやおや、このシーン記憶あるんですが!。だから先の通り映画を先に観ているんじゃなかろうかと。でもね、記憶に浮かぶ登場人物のキャラクターは二次元なんです。

 もしやアニメ作品でもあったのかと、さっきまで思っていたのですよ。で、調べてはじめて真実に到達しました。コレです。

 漫画だったんですね。わたしアフタヌーンの読者でして、一時読み損ねていた時期もありますが、アフタヌーンで出会っている可能性は高い。しかも、どうやらアニメ化はされていない模様。決定です。漫画で先に読んでいたんですね。

 閑話休題。さて原作本です。第一印象は、すごいね~この作者さん半端なく資料集めて勉強しまくってる!、ってことに感動。そうですね、前に読んだ、

 

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この作品でも、作者の勉強ぶりに驚かされましたが、その記憶が蘇ってきました。こういう作品を読むと、作家にあこがれているわたしですが、ますます作家という職業が遠く感じられて、ある意味悲しくなれます。なんてね。

 どうも脱線しがち。映画の方の印象も書いておきましょう。当たり前ですが、原作本の方が圧倒的にボリュームがある。そこをどう切り取って、切り取るがゆえに改編も必要となって、どうまとめていくかが映画化の課題。その辺を交えて感想を書いてみます。

 主人公は渋川春海(しぶかわはるうみ)。まずこの名前が映画では最後にしか出てこない。がしかし、原作本では本来の父親から受け継いだ名である安川算哲(やすかわさんてつ)を使わず、最初から春海を名乗っています。訳アリですが、そこを解説する時間がなかったのでしょう。

 渋谷、宮益坂にある金王八幡。そこには図形の難問が絵馬に書かれ奉納されています。算術好きの春海はここを訪れ感動。これを縁に関孝和という、算術の天才との出会いがあります。そしてもう一人大事な女性、えん、ともここで出会う。

 楽しみにしてたんですよ、誰がえんを演じているか。その答えは宮崎あおいでした。うん、いい感じ。イメージに近いかも。でもね、えんという女性はもっとキツイ性格ですよ。映画ではそのキツさというかツンデレ具合がちと足りない。

 関孝和とはいろいろあるんですが、春海としてはなんというか、恐れ多くて会いたくても合わす顔がないみたいな弱腰。それだけ関がすごいってこと。なんだかんだあって、最後の最後、どうしようもなくなったときに、会う機会をようやく作った感じ。それなのに映画では、けっこうすんなりと会っている印象。しょうがないですね、時間軸が短いのと、これだけのグダグダした春海の心の紆余曲折を描いていては、それだけで映画が終わってしまいます。

 春海の仕事は碁打ち。将軍様の前で打つことを許された、先祖代々の家系。でもね、星が好きだったり、算術が好きだったりで、肝心の囲碁には飽きてしまっている。その当時の囲碁は、今までの定石どおりに打つ碁を披露するのが一般的で、今のような勝負碁を観覧させるという習慣がなかったそうな。そりゃ、つまらんたい。

 会津肥後守、保科正之という人物がいて、どうやら春海のことが気に入っている模様。その伝手で老中の酒井より、北極星の高さを日本全国で観測するという北極出地という仕事を命ぜられる。高さの違いとは緯度の違いだそうだ。

 この仕事、約1年?ほどかかるということで、春海はえんと帰ってきたら云々の約束をする。が、なんと仕事は延びに延びて、2年後帰ってきたときにはえんは嫁に行っていたと。お侍の世界ですから、しょうもないってことなんですが、春海のがっかりぶりに泣かされました。じれったいんだよ、春海って。

 書くのに疲れてきました。もうすぐです、がんばれ。そうそう、あの保科正之って人物。徳川家にとっても、江戸時代の民にとっても、とても重要な人だったらしく、この作品内でその素晴らしさが非常に細やかに描かれております。コレは事実(史実?)を知らなかったわたしにとっては、とても驚きの、そんな人が居たんや~クラスの事件に等しいことでした。詳細は、原作本を読んでねw。

 でですよ、ハナシを飛ばしますが、改暦の仕事を結局は受けるわけです、春海。北極出地とかはその前振りで、彼の能力を確認するためでもありました。再び江戸を離れる春海ですが、なんと彼、実家のある京都で結婚します。こと、という名の若い女性。なんと映画ではこのことがすっぱり切られているんですよ。

 彼女、病弱という設定でなんか悪い予感がしていたのですが、早くに亡くなってしまいました。「ことは幸せ者でございます」が彼女の口癖。もうね、号泣ですよ。今作で一番の号泣。それが映画では.....。これがこのメモで一番書きたかったこと。ことちゃん、かわいそ過ぎる。

 再び江戸を訪れた春海。なんとえんが離縁したと。原作本では旦那が亡くなったはず。妻を亡くした春海と、夫を亡くしたえん、そういう二人がって展開だったのに、ことの存在自体が消されたせいでしょうか?、えんは嫁ぎ先を追い出されたとか。ふむ、ツンデレ具合の足りなさを指摘したわたしですが、追い出されるくらいには気が強かったみたい、映画。

 やっと本題に入った改暦の儀ですが、すったもんだあって、今作最大のオチが登場します。それは授時暦の誤謬(ごびゅう)。これを気づかせてくれたのが関孝和なんですよ。だから、春海はやっとの思いで会いに行ったんです、原作本では。

 なんて言うんですかね、時間をかけて、積もり積もって、描いてきたこと。この重さって、やはり同じく時間をかけないと描けない。関孝和に対する春海の気持ちがまさにそれ。この重さが作品にも重さを与える。それを時間という制約で切らざるを得ない映画という表現。う~む、どうしたらいいのでしょう?、なにか解決策はないのでしょうか?。

 映画の最後。えんも春海もお互いに「わたしより長生きをしてください」と願っておりました。そして奇跡のように同じ日に亡くなったとテロップに。映画では年齢は明かされていませんが、原作本ではたしか70歳を超えるくらいの長生きだったそうです。その一言も欲しかった。

 というわけで、後半疲れてきてグダグダになったのをお詫びします。もっと書きたかったのですが、わたしの集中力が追いつかなかった。さて、今後の課題ですが、原作本を読んでから映画って順番のことなんですよ。こうするとどうしても映画が不利になります。そりゃ当然でしょ、あのシーンもこのシーンもカットかよ、と。吹き出る不満の数々を映画は受け止めなければなりません。

 どうでしょう?、先に映画を楽しんでみるのは?。最近その考えに揺れております。今作も、映画としてだけ考えてみれば、それなりに面白かったという感想をもったと思います。その後で、さらに原作本でより広く、より深く楽しめる。うむ、今度はこの順番で行ってみましょう。おススメです、映画も本も。

「メッセージ」一所懸命な学者に泣ける

 

 これ、たぶん前に観たことあります。あの、ガラスで遮られた宇宙船の中の空間で、やりとりするタコ(イカ?)と地球人。この光景はしっかり覚えてますが、いつもどおり内容の記憶は皆無でした。

 パッケージの写真のような宇宙からの訪問者が、地球上に12隻。なぜか日本に2隻いるのがうれしいが、彼らとコミュニケーションをとるために選ばれた女性の言語学者。彼女の活躍が映画のメイン。

 先ほどの光景の場所で、やりとりするんですが、こういうのってとてもワクワクしますよね。なんらかの意味を持つ宇宙人の円形の記号。その解読に彼女が手探りで挑戦するんです。

 ときどき、時制が違う映像が流れるのですが、彼女の子供が若くして病気で亡くなる映像?。これって彼女の過去だとばかり思っていたんですが、違ったんですね。そうそう、湖のほとりの家の庭で遊ぶ子供。なんかこの光景を見ると、この後子供が溺れて亡くなるという作品の記憶が蘇り、あ、この作品がそうなのかと思ったら、違ってました。なんの映画の記憶だったのでしょう?。

 というわけで、ハラハラドキドキの展開もあり、なかなかに楽しめる作品でした。なによりも終盤の彼女。彼女の決心に涙が溢れてとまりません。おススメです。観てください。