知人に「村上春樹は読んだことない」と告げたら貸してくれた本。なんでも特別な一冊らしい。分厚いわりに字が小さいね、老眼鏡がないと読めないよ。
目次を見てわかる通り、二つの話が順繰りに書かれている。接点らしきものが出てくるのはちょっと先。でも、なかなか交わらない。
壁に囲まれた奇妙な世界。自分の影が連れ去られ、心を無くしていく主人公。そこが世界の終わりらしい。
もう一つ、日本人とは思えないハードボイルドな主人公。計算士と呼ばれる特殊な職業。ある日依頼された現場へ向かうと、怪しげなビルから地下の世界へ、だっけかな?。
長い時間をかけて重なりかけていく二つの話。終盤になって大体の感じはつかめるが、確証がないのでなんとも宙ぶらりんな気持ち。当然、最後にはビシッと重なり合ってくれるもんだと思うじゃない?。でもさ、でもね。
読みで十二分にありましたよ。しかしあの終わり方じゃ、わたしゃ寂しいです。ちゃんと説明してくださいよ、春樹さん。説明というか、事象合わせというか、筋を通すというか、ウンウン、やっぱり説明が欲しいんだ、もっと詳しい。
というわけで、自分的には消化不良な気持ちがなんともかんとも。知人の特別な一冊、はてさて、彼はどう評価しているのでしょうか?、今度返すときに聞きたい。