- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/12
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もちろん知っていましたよ、この本のことは。「ICO」というゲームはわたしのとって特別な存在。コレ以前にこんなゲームは存在しなかったし、コレ以降も残念ながら存在していない。と思えるほどの入れ込み具合。
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
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そのことを思い出したしだい。いや、すっかり忘れてました。評判の方はわたしが聞いた範囲ではあまり芳しくなかった模様。でも、でもですよ、大好きなICOの小説、ぜひとも読みたいじゃないですか!。というわけで、「ステップファーザー・ステップ」と同時購入。
感想
いや、すごい。読み始め、ICOが生贄とされる状況描写の長さに、これはちょっと...、と正直思いましたが、霧の城に入ってから=ゲームのプレイがはじまったところあたりから、モリモリと読む気満々。楽しい、読むのが、楽しいです。どうやってあのプレイを描写するのか?、興味はそこに集中。ふむふむ、かなり克明に忠実に書かれている。面白い。
もちろん、ゲームプレイを逐一なぞるだけのワケはなく、要所要所ということになります。あとで知ったのですが、宮部みゆき自身がゲーム好き、しかもこのICOに関しては、体験版をやった本人がノベライズの企画を思い立ったとのこと。いやはや、それほどとは。
プレイ描写はともかく、この作品の一番すごいところは、ICOというゲームのほぼ全てを説明しきったところでしょう。ゲームではほぼ曖昧なままであった設定の数々、それすべてに理由・経緯を設定しております。これだけの緻密な設定、さすがプロと思わせるところ。
逆にですよ、この設定の後付けが気に入らないゲーム経験者の数が少なからずいたことも想像できます。でもそれはノベライズの企画時点でわかっていたこと。それでも筆を走らせた宮部みゆきのプレッシャーたるや、並大抵のものではなかったと思われます。
わたしは(個人的に)素直に受け入れることができました、宮部みゆき節。曖昧なところをこれほど残さず、見事なまでに説明しきったこと、感服ものです。