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koyanの明石

Mac、TV、映画、カメラ、イタチ、猫等についてボチボチ語ります。書いているのはおっさんです。

「ICO -霧の城-」(宮部みゆき)のメモ

ICO-霧の城-(上) (講談社文庫)

ICO-霧の城-(上) (講談社文庫)

ICO-霧の城-(下) (講談社文庫)

ICO-霧の城-(下) (講談社文庫)

 前回、知人に勧めてもらった宮部みゆきの「ステップファーザー・ステップ」を買いに行ったときのこと、同じ宮部みゆきの棚に見つけたのが、コレ。
 もちろん知っていましたよ、この本のことは。「ICO」というゲームはわたしのとって特別な存在。コレ以前にこんなゲームは存在しなかったし、コレ以降も残念ながら存在していない。と思えるほどの入れ込み具合。
ICO

ICO

 上のはリメイクというか、HDに対応させたPS3版。ウチは箱○オンリーなので、買いたくても買えない。悲しい。閑話休題。そのように特別な「ICO」というゲーム。多くの人々がそう思っていたようで、このゲームのノベライズを宮部みゆきがやってくれたわけです。
 そのことを思い出したしだい。いや、すっかり忘れてました。評判の方はわたしが聞いた範囲ではあまり芳しくなかった模様。でも、でもですよ、大好きなICOの小説、ぜひとも読みたいじゃないですか!。というわけで、「ステップファーザー・ステップ」と同時購入。

感想

 いや、すごい。読み始め、ICOが生贄とされる状況描写の長さに、これはちょっと...、と正直思いましたが、霧の城に入ってから=ゲームのプレイがはじまったところあたりから、モリモリと読む気満々。楽しい、読むのが、楽しいです。どうやってあのプレイを描写するのか?、興味はそこに集中。ふむふむ、かなり克明に忠実に書かれている。面白い。
 もちろん、ゲームプレイを逐一なぞるだけのワケはなく、要所要所ということになります。あとで知ったのですが、宮部みゆき自身がゲーム好き、しかもこのICOに関しては、体験版をやった本人がノベライズの企画を思い立ったとのこと。いやはや、それほどとは。
 プレイ描写はともかく、この作品の一番すごいところは、ICOというゲームのほぼ全てを説明しきったところでしょう。ゲームではほぼ曖昧なままであった設定の数々、それすべてに理由・経緯を設定しております。これだけの緻密な設定、さすがプロと思わせるところ。
 逆にですよ、この設定の後付けが気に入らないゲーム経験者の数が少なからずいたことも想像できます。でもそれはノベライズの企画時点でわかっていたこと。それでも筆を走らせた宮部みゆきのプレッシャーたるや、並大抵のものではなかったと思われます。
 わたしは(個人的に)素直に受け入れることができました、宮部みゆき節。曖昧なところをこれほど残さず、見事なまでに説明しきったこと、感服ものです。

というわけで

 かなり人を選ぶ作品なのかも知れません。許せない人もいることでしょう。ですが、わたしの興味は他にあります。ICOを全く知らない人がこの小説を読み、そのあとでゲームプレイをしたら...。きっと素敵な経験ができるんじゃなかろうかと、ひどく楽観的に予想してしまいます。いや、わたし自身がそれを経験したいくらい。もう無理ですが。
 つまりはひたすらICO好きなんです、わたし。そんな人にお勧めします。