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光の帝国
職場の知人の紹介で、久々に本を購入しました。勧められたのは「光の帝国」。読んでみると、ある特殊な力をもった人々、常野という場所の住人なのですが、彼らの力に関わるハナシがオムニバスのように語られております。
本と言えば日本文学みたいな世代の私、同年代の作者の本を読むのははじめてじゃなかろうか?。知人がミステリーやアドベンチャーなどのエンターテイメントが好きというのも、恩田陸を読むとうなずけます。な〜る、こういう人だったのですね。
作者本人もあとがきに記しているように、今まで暖めていたネタをズラッと並べた風でもあります。ひとつひとつがもっと広がっていくような、もったいないような短編集、そんな印象。特に印象に残ったのは本の題と同じ「光の帝国」の章。まぁ〜人が死ぬ死ぬ。ある集団の人々がことごとく玉砕します。この手のハナシって誰かが生き残って云々、というのが普通だと思っておりましたので、読んだわたしはけっこうショックでした。
そして、ラストのフルート。うるっと来ました。副題についている常野物語。シリーズ物としてあと2冊あると知り、さっそく手を伸ばしました。
蒲公英草子
主役級の人、家族ではなく、その近くに住むお医者さんの娘の視点で淡々と描かれている作品。好きです、こういうの。彼女の目を通すことで、よりまわりのキャラが立ってくる。彼女自体はとても控えめな少女、その奥ゆかしさも愛おしい。
そして終盤。職場の空き時間を利用して読んでいたのですが、これ以上は涙をこらえられないと思い、読むのを中断。家で泣きながら読みました。悲しくも誇り高きエンディングです。また言います。これ、好きです。
エンドゲーム
最後の常野物語。「光の帝国」に描かれていた「ひっくり返す」人たちのおハナシ。予想以上に読みでがありまして、終盤は正直言って少し理解不足。設定がやや難しいと、アホなわたしは思ったり。
というわけで
久々の本でした。読んだ感想を勧めてくれた知人を共有するのが楽しいです。ドラマや映画、マンガと違い、読者の頭の中で構築されて行く登場人物や風景。本って面白いじゃん、といまさらながら感じた次第です。