「モンスター」を知らずに観る

　この映画、ご存知の方はご存知でしょうが（当たり前）、わたしはまったくの予備知識なしに観たんです。しかもですよ、最初の題名、俳優名のテロップすら見過ごして。映画を作った側としては、理想的なお客様ってことになるのかな？。
　観終わっても当然気づいてません。なんたって、共演していた女の子がクリスティーナ・リッチであることを確認するために、ネット検索してようやく主演の女性の正体を知ったのですから。すごいですよ、まったく。クリスティーナの方は一目見て気づいたんですが、そのあまりのカワイさに「ホントにこの子はクリスティーナなんだろか？」って疑問を抱いたくらい（もともと好きなんですが）。つまり、主演の女優さんの引き立て具合が実に凄まじかったってこと。
　わたしのような幸運？を掴める人はほぼ皆無だと思えるので、わたしにとっての衝撃に事実を明かしておきますね。こちらが公式サイト。そうです、シャーリーズ・セロンだったんです（わたしだけだよね、この事実ににこんだけビックリできたの）。
　まずは「この物語は事実を元に描かれている」とのテロップ。とある女性の不幸な生い立ちがダイジェストで紹介される。そして今。見たことのない女優（これがシャーリーズ・セロンね）。役どころは娼婦のアイリーン。すさんだ生活。外見はお世辞にもキレイとは言えない。性格もかなり荒っぽい。
　そしてクリスティーナ・リッチ（セルビー）。大人しそうな外見・性格。濡れたような黒髪。クリクリの瞳。透き通る白い肌。申し訳ないけどアイリーンと見比べちゃうと、そのカワイさがとんでもなく引き立っちゃう。
　物語は最初から最後まで悲しみに満ちている。自分を愛してくれるこの世で唯一の存在であるセルビーを守るために、アイリーンは彼女なりに必死に努力するんだけど、いきなり人生が変わるわけもなく、なにもかもうまく行かず、彼女は題名のとおりモンスターと化していく。でもそれはあくまでもひとりの女の子を守るため。悲しい運命の連鎖が彼女をそうさせたかのように。
　映画を観終わった直後の素直な感想→。映画としてはとてもよくできてる。つれあいが間違えて借りてきた映画（なぜかダコタちゃんのホラー映画のつもりで借りたらしい）としては至極満足。でもいったいこの女優さんは誰なんだろ？。いわゆる美人系では決してない。役柄もあって荒々しい感じ。それなりの経歴がなければ、このクラスの映画には出れなさそうなんだけど（ホントに失礼なわたし）。
　という疑問も合わせてネット検索したわけです。そりゃ驚きますよね、彼女の正体がシャーリーズ・セロンだと知ったときは。なんと彼女、13kgも体重を増やしたそうです。たしかに下着姿の彼女の身体は、見事にたるんでました。眉毛がなく、顔一面のソバカス？。そして口元。入れ歯によってかなり印象が変わってる。見事なまでの変身ぶり。アカデミー最優秀主演女優賞よりも価値ある演技。
　最後にひとつ。子猫のように我がままでカワイイ、クリスティーナ・リッチも絶対に見逃せません。クリスティーナファンなら目尻下がりっぱなし状態を保証します。もちろんお勧めです、ぜひ観てください。