涼んでいるうちにもう1本いっときましょう。お次ぎはあの「ロード・オブ・ザ・リング 三部作」の監督、ピーター・ジャクソンの初期の作品「ブレインデッド」です。ロードで有名になったおかげで日本でもDVDが発売されましたが、もうすでに絶版。中古市場でプレミア付きまくり?という噂の映画。この映画を紹介してくれたのは、ピーター・ジャクソンの生まれ故郷と同じNZ在住のnekoさんです。
モノはレンタルVHSビデオ。さすがにDVDはなし。1993年日本公開当時のヤツと思えちゃうくらい、古びたパッケージとノイズ入り(傷によるもの)のテープでした。
冒頭からいきなり笑わせてくれます。あのサルを運んでた研究者って、どうやらピーター本人らしいですね。この映画、ホラーに分類され、かつメッチャクッチャなスプラッターものでありながら、実はコメディー映画というのがその正体。おかげさんで最近グロ系に弱くなったわたしでも安心してみてられるほど。気持ち悪い以前に笑っちゃうのです。
時代はなぜか1957年という古い設定。車やら路面電車やら衣装やらも凝ってるんでしょうか。で、例のサル。こいつがなぜか動物園で飼われてる。ネズミとサルのハーフとかで、名前もラットモンキー。動きはもちろんダイナメーション。主人公のママがこのラットモンキーに噛まれることからすべてがはじまる。
スプラッター振りは後半になるとかなりのもの。とにかく人の体をバラバラにしたいという、ピーターの思いがつよ〜く伝わりますよ。しかし先に書いたとおりこの映画は全編に渡ってコメディーなんです。スプラッターもコメディーのネタなんですよね〜。
ピーターのデビュー作である「バッド・テイスト」にもコメディー要素はチラチラと見られましたが、あの映画のときは正直笑えませんでした。しかし今作ではその腕にかなりの磨きがかかってます。スプラッターの成熟度合いよりもわたしはこの点を評価したい!、と言いたいほど。ゆえに気持ち悪さでは「バッド・テイスト」の方がキツかったくらい。ともあれ自主制作映画である「バッド・テイスト」と、プロとしての作品である「ブレインデッド」を同じ天秤の上で比較しちゃいけませんが。
というわけで、おバカな映画が大好きな人にお勧めします。メル・ブルックスや「フライング・ハイ」、「裸の銃をもつ男」等で笑えた人なら、この映画を存分に楽しむことができるでしょう。でもグロに弱い人は...、う〜ん、微妙だな〜。わたしのように先に笑っちゃうパターンにハマれば大丈夫なんですけど。