昨日書いたようにYooさんから頂いたDVDです(ありがとうございます)。夕べ観ました。夕食直後に...(ちょっとキモかった)。
素直な感想。う〜ん、ちょっと強敵だぞ、これは。ってのが第一印象。B級映画の中にもランクがあるんですが、これはかなり下の方だと思う。役者がぜんぜんダメじゃん、にはじまって、ハナシの展開がすごくギコチナイ。設定もおかしいよね、なんなんだあの組織って?。
でも観ましたよ、しっかりと。どこかにピーター・ジャクソン監督のこだわりがあるに違いないって。しかし...、何も発見できないまま映画は終わってしまいました。どうしよ、これ?。
落胆したまま特典のメイキングを見始める。そこで驚愕の事実を知ったのです。この映画ってB級映画じゃないですよ。正確?には自主制作映画じゃないですか!、か!、か!。わたしが勝手に定義するB級映画ってのは、いわゆるプロが作ったモノってのが大前提。プロのくせしてなんだそりゃ〜、ってのがB級映画。
しかしこの作品は若き日のピーター・ジャクソンが仲間とともに作った映画。16mmのフィルムカメラを手に入れた彼が友人知人に出演依頼をし、大道具から小道具、メイクや特殊効果までをも手作りし、チマチマと4年の歳月を費やして完成した、完全なる素人のお遊び映画ですよ。
その事実を知り愕然となったわたし。例えば仲間内で一度でも映画やドラマっぽい映像作品らしき物をつくった、もしくは作ろうとした人ならわかると思います。素人の作品としては驚異的な出来映えです。わたしがB級映画(プロがつくった映画)と思い込んじゃったのも無理ありません。
B級映画なら、スタッフはみんなプロ。役者さんしかり、カメラマンさんしかり、大道具さん・小道具さんしかり、照明さんしかり、メイク・衣装さんしかり。こうしてあ〜して撮ってくれと監督が言えば、みんな協力してプロの仕事をするわけです。だからちゃんと映画のカタチになるわけ。ただ安っぽいだけ。
その仕事のすべてを素人がこなすことを想像してみてください。普通ならとんでもないデキになりますよ。メイキングで語るピーター・ジャクソンの尋常でないこだわり様。撮影補助機材(レールやらクレーンやらステディカムやら)、大道具(家ですよ、家)、小道具(なんと銃器もつくりもの)、特殊メイクなどなど、ものすごいエネルギーがないとあそこまでできませんて。
役者の演技指導も難関だったことでしょう。ジャクソン自らも2役で出演。そしてプロの映画と言ってもなんら違和感を感じない膨大なカット数。完成までに4年かかったのもうなずけます。
B級映画に匹敵するほどの自主制作映画。もうそれだけで感動です。ピーター・ジャクソン監督、やはりただ者ではありませんでした。